ある日湊から、相談があるという連絡がきたので何事だろうと思いチカは湊の家へと向かった。
「湊んち久しぶりだわー」と部屋に向かっていく。
普通の顔をしているが、こう見えて内心ドキドキしていた。
いつもは私の家に湊がきて、家族と一緒にご飯を食べたり軽く話をするだけだった。
だから湊の家にくるのは本当に久しぶりなのだ。
これは私の特権だな、なんて思いながら心を踊らせる。
けれど私のそんな心はすぐに打ち砕かれた。
「それで、相談ってなにかあったの?」
湊の顔がほんのり赤く染まっているのがわかる。
恥ずかしそうにもじもじとしていて何も話し出さないものだから私は気になって「なにもじもじしてんのよ!気になるじゃん!」と急かす。
そうすると湊はふぅーと深呼吸をして、よし!
と一人で気合いをいれている。
何をしているんだこのバカは…と呆れるがそんなとこまでかわいくて愛おしいと思ってしまう私も重症だ。
そんなとき、湊がやっと口を開いた。
「実は……俺、気になる人ができたんだ」
「え……」
私はその言葉を聞いてさっきの自分を恨めしく思う。こんなことなら、聞かなきゃよかったと後悔する。
でも、いつかこんな日がくることも分かっていた。
湊にだって好きな人はできるし、彼女だってできるだろうと。
何も言わない私に「チカ…?どうかした?」
と心配そうに返す湊に、私は自分の気持ちを悟られないようにする。
「…もー!何それ早く言ってよ、誰なの?!」
へへと笑いながら「ごめんごめん…」という彼は心底その子のことが好きなようで、幸せそうな表情をしていた。
一体誰なのだろうか。湊にこんな顔をさせられるのは、きっとすごく可愛い子なんだろうなと思う。
けれど湊が放った言葉は予想外の名前だった。
「それが…冷ちゃんなんだ。チカの友達だったよね?だからチカに相談したんだ」
と湊は照れくさそうに笑っている。
その名前を聞いた瞬間、私は時が止まりそうになる。目の前が真っ暗だ。
自分の心の中にどんどんどす黒い何かが蓄積されていくのが分かる。
…だめだ、冷は大事な友達だ。
そう思い私は心の中に渦巻いている感情をぎゅうぎゅうと押し込んだ。
「湊んち久しぶりだわー」と部屋に向かっていく。
普通の顔をしているが、こう見えて内心ドキドキしていた。
いつもは私の家に湊がきて、家族と一緒にご飯を食べたり軽く話をするだけだった。
だから湊の家にくるのは本当に久しぶりなのだ。
これは私の特権だな、なんて思いながら心を踊らせる。
けれど私のそんな心はすぐに打ち砕かれた。
「それで、相談ってなにかあったの?」
湊の顔がほんのり赤く染まっているのがわかる。
恥ずかしそうにもじもじとしていて何も話し出さないものだから私は気になって「なにもじもじしてんのよ!気になるじゃん!」と急かす。
そうすると湊はふぅーと深呼吸をして、よし!
と一人で気合いをいれている。
何をしているんだこのバカは…と呆れるがそんなとこまでかわいくて愛おしいと思ってしまう私も重症だ。
そんなとき、湊がやっと口を開いた。
「実は……俺、気になる人ができたんだ」
「え……」
私はその言葉を聞いてさっきの自分を恨めしく思う。こんなことなら、聞かなきゃよかったと後悔する。
でも、いつかこんな日がくることも分かっていた。
湊にだって好きな人はできるし、彼女だってできるだろうと。
何も言わない私に「チカ…?どうかした?」
と心配そうに返す湊に、私は自分の気持ちを悟られないようにする。
「…もー!何それ早く言ってよ、誰なの?!」
へへと笑いながら「ごめんごめん…」という彼は心底その子のことが好きなようで、幸せそうな表情をしていた。
一体誰なのだろうか。湊にこんな顔をさせられるのは、きっとすごく可愛い子なんだろうなと思う。
けれど湊が放った言葉は予想外の名前だった。
「それが…冷ちゃんなんだ。チカの友達だったよね?だからチカに相談したんだ」
と湊は照れくさそうに笑っている。
その名前を聞いた瞬間、私は時が止まりそうになる。目の前が真っ暗だ。
自分の心の中にどんどんどす黒い何かが蓄積されていくのが分かる。
…だめだ、冷は大事な友達だ。
そう思い私は心の中に渦巻いている感情をぎゅうぎゅうと押し込んだ。