……やっぱり私は運がついていない。

はぁと二度目のため息がもれそうになるがそれもまた呑み込んだ。

このままじゃため息でお腹がいっぱいになりそうだ、と意味のわからないことを考える。

窓側の1番後ろという点では嬉しいが私の前には暖、そして斜め前はチカだ。
まさかチカと暖がまた隣になるとは、もはや運命だろうか。

不幸中の幸いか佳奈は廊下側の前という1番遠い場所になった。

けれど他の二人といったらどうだろうか。

暖は私の方をチラチラ見るも分が悪そうにしているし、チカは私がいることによって気まづそうな顔をしている。

昨日、あんな出来事があったのだ。
こうなることは分かっていたけれどそれにしても居心地の悪い場所になってしまった。

けれどチカはそんな雰囲気を壊すように暖に話しかけた。

「あ、また隣だね!たまたまだけど嬉しいなぁ」と男子なら好きになってしまうであろう言葉を言う。

けれど暖は変わった様子も見せず、それに対応するかのように返す。

「ほんとだね。チカさんが隣でよかったよ」
女子が言われたらキュンとくるような言葉を何ともないような顔で言っている。

美男美女の会話を聞かされる身にもなってほしい。
お互いが高テクニックな会話技術を身につけているせいで、つい圧倒されてしまう。

その反面、暖はチカと隣で嬉しいんだと黒い感情が渦巻いているのが分かる。

私がこんなことを考える権利はなにもないのに。
こんな自分に嫌気がさしてしまう。