暖の死から一週間が経った。
まだ私は信じられていなくて、暖の優しい声も顔も温もりも何もかも忘れていない。

「冷……」

チカも心配そうにしている。

あの後、桐生くんも病室に来ていつもからは想像もできないほどに涙を流して悔しそうに暖を見ていた。

私と最期の時間を過ごした暖に桐生くんとの時間は大丈夫だろうかと申し訳なさややるせなさを感じたがそれを察したかのように「大丈夫、暖から全部聞いてたから」と伝えられた。

元々暖ももう自分の命が短いことを分かっていて桐生くんとも二人で話す時間を作っていたみたいだった。

暖はいなくなってもずっと温かさを残してくる。

どんな話をしても、暖の話になるといつも優しい話題ばかりでどこまでも素敵な人だと思ってしまう。

私もこんな状態でいてはいけないのはわかっている。けどやっぱりすぐに心の整理はつかないものだな。

そんなある日、お父さんが「…冷宛の手紙が届いてたぞ」と優しい表情で渡してくれた。

一体なんだろう。

名前を見て私は驚いて、すぐに涙が溢れてきた。
そこには『桜田 暖』という名前がかかれていたからだ。