一週間ぐらいたった頃。アマネからの連絡は、パッタリ届かなくなった。ふとトーク欄を見返すと、アマネが告白して振られた事が書いてあった。そして、西条の弟。西条ユウキと同じクラス。あの時、西条ユウタに弟がいるかと聞いていた。たかが、同級生の兄だ。わざわざ僕に聞かなくても、弟に聞けばいいだろう。もしかして告白した相手がユウキだったりしたら、連絡が来なくなるのも納得がいく。

ヒイロ「ユウタ。お前の弟が告白されたとか言ってなかったか?」
ユウタ「ん?ユウキがか?ああ、なんか言ってたな。」
ヒイロ「なんて言ってた?」
ユウタ「《面倒くさい女に好かれた。最悪な誕生日プレゼントだ。》と。恥ずかしいよ。こんな弟。女の子の事こんなに言うなんて。」
ヒイロ「残念ながら。同感だ。告白されたとかは?」
ユウタ「どうして、そんな事聞くんだよ」
ヒイロ「僕の好きな人が、お前の弟に傷つけられた可能性が浮上してね。」
ユウタ「なるほど。その話詳しく。」
ヒイロ「しょうがないな。」

 ヒイロは、名前を伏せてアマネの話をした。

ユウタ「それは、おそらくユウキのせいだ。申し訳無い。ここだけの話。ユウキは、クラスの女の子に告白されていた。」
ヒイロ「それは、いつ?」
ユウタ「2ヶ月か3ヶ月前ぐらいかな。」
ヒイロ「ありがとう。今度、自動販売機でジュース奢る。」
ユウタ「サンキュ。またなんかあれば言えよ。」
ヒイロ「おう。」

 アマネを振った相手の兄と僕が友達だった。それは、アマネにとって距離を置くには十分過ぎる理由かも知れない。まぁ全てが思い違いで、ただ僕が用無しなだけかも知れないが。弱みにもなり得る事を、トーク欄とは言え吐き出したアマネ。少なくとも、僕を信用していると思うのは思い上がりだろうか?トーク欄からは、ユウキに告白した。確実ではない。けれど、胸騒ぎがしてならない。僕は、どうすればいいのだろうか?