俺はメリルの家から出るとそのまま孤児院に向かった。
孤児院の入り口近くには子ども達と遊んでるウルとラルがいた。
「あっ、お兄ちゃん!」
一人の少女が俺に気がつくとウルとラルは近づいてきた。
「急にどうしたんだ?」
「みつけてきたよ!」
「何をみつけたんですか?」
「二人のスキルが使えそうな人をだよ!」
二人は驚いた顔とともにどこか泣きそうになっていた。
「泣かしたらメッだよ」
「あっ……そうだよな」
「ふふふ、私達のためにありがとう」
つい小さい子に言われて謝ってしまった。別に悪いことをしているわけではないからな。
「でも仕事にはまだ出来なさそうだから少しずつになるかな」
「それでも助かった……ありがとう。これで何かわからないスキルが解決するのか」
スキルの使い方がわからない外れスキルより、使い方がわかってもうまく使いこなせない方がいいのだろう。
その後はまた遊びたいと詰め寄ってくる子ども達に明日来る約束をして帰ることにした。どっちにしても詳しい話をエイマーにする必要があったからだ。
――次の日
孤児院に訪れるとウルとラルはすでに入口に待っていた。それだけ心待ちにしていたのだろう。
俺は昨日あったことを三人に伝えた。
「ってことは仕事ではなく、まずスキルが使えるかどうかを確認するということで合ってますか?」
「概ね合ってます。ただコルトンさんの好意でもあるので中途半端なことも出来ないですし、これがキッカケになって仕事になるかも知れないですが……」
コルトンの話は勝手に進んでいるが少し心配なことがあった。
「勉強する時間が減って働きに出るまでの準備が遅れてしまう可能性があるということですよね?」
「はい」
ウルとラルは今も働くためにエイマーから色々と教えてもらっている。それは読み書きや計算、スキル以外でどうにかお金を稼ぐ方法だ。
コルトンの介護をすることで最悪スキルが発動しなければ、それだけ働きに出る時期も遅くなり、経済的に含めて孤児院を圧迫してしまうことになる。
「ウルとラルはどうしたいの?」
「俺はやっぱ一回でもいいからスキルを使ってみたい!」
「私も!」
「なら私は二人の意思を尊重するわ」
二人は使えないスキルだったとしても、一度だけでもスキルを使ってみたいのだろう。
「ならせっかくの好意を無駄にするわけにもいかないですし、数日はコルトンさんに頼みましょうか」
まずはスキルが発動するかどうかを確認するお試し期間として、ウルとラルはコルトンの生活のお手伝いに行くことになった。
「じゃあまずは簡単な手伝い方を教えようか」
「えっ?」
俺が立ち上がり話を進めると二人は驚いていた。
「なんで驚いているの?」
「だってスキルを発動させるから問題ないよな?」
「何言ってるんだ? そもそもスキルって初めは手助け程度にしかならないことが多いから、まずはそのスキルにあった技能を身につけないとダメに決まってるよ」
ウルとラルは少し勘違いしているのだろう。
スキルを発動できればそのおかげで簡単に出来るようになるが実際は違う。
初めはただの才能に近い手助け程度なのが事実だ。
俺の慈愛の心もマッサージが出来るからそこ効果が追加されて発動しているだけだ。
ラルフのスキルも俺が知識を与えたことスキルが発動している。
そのため二人にはスキルを発動させる元になる何かがあるはずだ。
「それで何をする予定なの?」
「まず介護福祉士と言えば日常生活に支障がある人の手伝いをする人のことを言います。現時点でコルトンさんが日常生活で困っていることは一人で移動するのが大変ということでした」
基本的にメリルが手伝っていたのは移動だけで、家事や仕事をする時に手伝って欲しいと言っていた。
「ってことは俺とラルが移動の手伝いをすれば良いってことね。簡単じゃん!」
「そうだね!」
ウルとラルは介護を簡単で誰でも出来ると考えていた。確かに簡単ではあるがそれだけなら介護福祉士は必要ないはずだ。
その後介護についての話し合いは続いた。
孤児院の入り口近くには子ども達と遊んでるウルとラルがいた。
「あっ、お兄ちゃん!」
一人の少女が俺に気がつくとウルとラルは近づいてきた。
「急にどうしたんだ?」
「みつけてきたよ!」
「何をみつけたんですか?」
「二人のスキルが使えそうな人をだよ!」
二人は驚いた顔とともにどこか泣きそうになっていた。
「泣かしたらメッだよ」
「あっ……そうだよな」
「ふふふ、私達のためにありがとう」
つい小さい子に言われて謝ってしまった。別に悪いことをしているわけではないからな。
「でも仕事にはまだ出来なさそうだから少しずつになるかな」
「それでも助かった……ありがとう。これで何かわからないスキルが解決するのか」
スキルの使い方がわからない外れスキルより、使い方がわかってもうまく使いこなせない方がいいのだろう。
その後はまた遊びたいと詰め寄ってくる子ども達に明日来る約束をして帰ることにした。どっちにしても詳しい話をエイマーにする必要があったからだ。
――次の日
孤児院に訪れるとウルとラルはすでに入口に待っていた。それだけ心待ちにしていたのだろう。
俺は昨日あったことを三人に伝えた。
「ってことは仕事ではなく、まずスキルが使えるかどうかを確認するということで合ってますか?」
「概ね合ってます。ただコルトンさんの好意でもあるので中途半端なことも出来ないですし、これがキッカケになって仕事になるかも知れないですが……」
コルトンの話は勝手に進んでいるが少し心配なことがあった。
「勉強する時間が減って働きに出るまでの準備が遅れてしまう可能性があるということですよね?」
「はい」
ウルとラルは今も働くためにエイマーから色々と教えてもらっている。それは読み書きや計算、スキル以外でどうにかお金を稼ぐ方法だ。
コルトンの介護をすることで最悪スキルが発動しなければ、それだけ働きに出る時期も遅くなり、経済的に含めて孤児院を圧迫してしまうことになる。
「ウルとラルはどうしたいの?」
「俺はやっぱ一回でもいいからスキルを使ってみたい!」
「私も!」
「なら私は二人の意思を尊重するわ」
二人は使えないスキルだったとしても、一度だけでもスキルを使ってみたいのだろう。
「ならせっかくの好意を無駄にするわけにもいかないですし、数日はコルトンさんに頼みましょうか」
まずはスキルが発動するかどうかを確認するお試し期間として、ウルとラルはコルトンの生活のお手伝いに行くことになった。
「じゃあまずは簡単な手伝い方を教えようか」
「えっ?」
俺が立ち上がり話を進めると二人は驚いていた。
「なんで驚いているの?」
「だってスキルを発動させるから問題ないよな?」
「何言ってるんだ? そもそもスキルって初めは手助け程度にしかならないことが多いから、まずはそのスキルにあった技能を身につけないとダメに決まってるよ」
ウルとラルは少し勘違いしているのだろう。
スキルを発動できればそのおかげで簡単に出来るようになるが実際は違う。
初めはただの才能に近い手助け程度なのが事実だ。
俺の慈愛の心もマッサージが出来るからそこ効果が追加されて発動しているだけだ。
ラルフのスキルも俺が知識を与えたことスキルが発動している。
そのため二人にはスキルを発動させる元になる何かがあるはずだ。
「それで何をする予定なの?」
「まず介護福祉士と言えば日常生活に支障がある人の手伝いをする人のことを言います。現時点でコルトンさんが日常生活で困っていることは一人で移動するのが大変ということでした」
基本的にメリルが手伝っていたのは移動だけで、家事や仕事をする時に手伝って欲しいと言っていた。
「ってことは俺とラルが移動の手伝いをすれば良いってことね。簡単じゃん!」
「そうだね!」
ウルとラルは介護を簡単で誰でも出来ると考えていた。確かに簡単ではあるがそれだけなら介護福祉士は必要ないはずだ。
その後介護についての話し合いは続いた。