俺達はマルクスの元へ戻ると既にリモンとカタリーナも着いていた。今回は話を聞くためにギルドマスターであるカタリーナも同席することになっている。
「ケントどうだった?」
「マルクスさんのせいで変な勘違いしてたじゃないですか!」
マルクスのせいで俺はガレインにジャンピング土下座をする羽目になっていた。
「ほんとに信じたんか?」
「えっ?」
「あんなの嘘に決まってるだろ。まぁ、マリリンは本当だと思うがな……」
マリリンのこともあり、異世界の常識がわからない俺はマルクスに騙されていた。
それにしてもマリリンについてはなんとも言えない。
「皆さん今から王への謁見に向かいます。事前に伝えた挨拶をお忘れなく」
執事に案内されるまま向かうとそこには一際目立つ大きな扉があった。扉の前には騎士が二人立っている。
「皆さんお願いします」
執事はその場を去ると騎士の二人が扉を開けると剣を抜き天上に刃先を向けて構えた。
中に歩いて行くとカタリーナは先頭を歩いていたカタリーナは立ち止まった。
「カタリーナ久しぶりだな」
「陛下お久しぶりでございます」
「おいおいよせよ! お前もそんなこと言うのかよ」
「ははは、建前は必要って言うじゃろ?」
「そうだが昔のパーティーメンバーに対してはちょっと冷たくないか?」
「そんな昔のことを言われてもね?」
俺は急な展開に驚いている。周りを見ると俺以外も驚いているようだ。挨拶するように準備をしたのにまだ驚いたまま立ち尽くしているのだ。
話の内容からしてカタリーナと昔パーティーを組んでいたようだ。Sランク冒険者と同じパーティーということは目の前にいる王様自体が強いのだろう。
カタリーナと久しぶりに会ったからなのか、二人は軽く談笑すると本題を話し始めた。
「それはそうとまさかあの時の首輪が出てくるとはな……。他の者にも迷惑をかけてすまなかった」
王が簡単に頭を下げたことに俺は驚いた。
「父上頭をお上げください」
「ははは、ガレインよ。ちゃんと謝らないといけない時には謝らないといかんぞ? そこに王族とかは関係ないからな」
「はい、わかりました」
「それでなんでまたあの首輪が出てきたのじゃ? あれはここで厳重に管理してあったんじゃないのか?」
「ああ、そうだ。そもそもそこら辺のスキルじゃ持ち出さないようになってるんだがな……」
強制進化の首輪は外部に持ち出されないように厳重に魔法式で鍵を掛けていた。
それが今回は持ち出されたため魔法式が解除できる者の犯行らしい。
「それで何個無くなっていたんだ?」
「ここで管理していた首輪の三つ全て無くなっていた。しかも巧妙な手口で偽物に差し替えられていたわ」
そこで取り出したのが強制進化の首輪の劣化版だった。
「こっちはガレインがエリートゴブリンに襲われていた時に着けていたやつだ。それでこっちが保管庫に入っていた物だ」
遠くから見ると特に違いがわからない。
「保管庫にあるやつも劣化版ってことか」
「ああ、そういうことだ。この首輪の存在を知ってるやつはあまりいない。それがここまでそっくりに作られてるいたとなれば、何度も侵入し魔法式を解いたことになる」
「そうか……。保管庫はどうしておるのじゃ?」
「前より魔法式を倍にさせて何人かで魔法式を分割にした」
一人で魔法式を組み立てるのではなく、数人で分けることでさらに複雑にし、誰が関与してるのか王にしかわからないようにしたらしい。
「それが突破出来たらとんでもないやつじゃな……」
「とりあえずは魔物が出てきたら冒険者達にも迷惑をかけるかも知れないが犯人はこちらで探るよ」
「そうじゃな! はやく犯人を捕まえて欲しいのじゃ」
強制進化の首輪がついた魔物が出た時はすぐに貴族街まで報告をするようにし、魔物を討伐した際には国から報奨金が追加されることが決定した。
サイレントベアーで一つ回収したため残りはあと二つだった。
「それで君達はガレインを助けてくれたお礼にこれを受け取ってくれ」
王は近くのものに指示すると袋を三個運んできた。
大きめのものはパーティーであるマルクスとリモンへ。残りの一つは俺の目の前に置かれた。
「そういえばケントとラルフと言ったか?」
「はい!」
突然王様に名前を呼ばれてさらに俺は固まった。
王様に名前を呼ばれる経験って生きている中でないに等しいからな。
「そんな驚かなくてもいいぞ。ただ、ガレインのことをよろしく頼むな」
どこか王様の顔は子を思う優しい父の顔だった。
「ガレインは貴族社会ではちょっと生きにくくてな。訳あって外にも出せないのだ」
さっきガレインも言っていたがスキルのことを言っているのだろう。
ガレインの顔を見ると申し訳なさそうな顔をしていた。
きっと王様もまだガレインがスキルを発動できないと思っているはず。
「僕達友達なんで特に頼まれることでも……」
「うん」
「そうか……これからもよろしく頼む」
その後も少し談笑し王のフランクな謁見は終わった。
「ケントどうだった?」
「マルクスさんのせいで変な勘違いしてたじゃないですか!」
マルクスのせいで俺はガレインにジャンピング土下座をする羽目になっていた。
「ほんとに信じたんか?」
「えっ?」
「あんなの嘘に決まってるだろ。まぁ、マリリンは本当だと思うがな……」
マリリンのこともあり、異世界の常識がわからない俺はマルクスに騙されていた。
それにしてもマリリンについてはなんとも言えない。
「皆さん今から王への謁見に向かいます。事前に伝えた挨拶をお忘れなく」
執事に案内されるまま向かうとそこには一際目立つ大きな扉があった。扉の前には騎士が二人立っている。
「皆さんお願いします」
執事はその場を去ると騎士の二人が扉を開けると剣を抜き天上に刃先を向けて構えた。
中に歩いて行くとカタリーナは先頭を歩いていたカタリーナは立ち止まった。
「カタリーナ久しぶりだな」
「陛下お久しぶりでございます」
「おいおいよせよ! お前もそんなこと言うのかよ」
「ははは、建前は必要って言うじゃろ?」
「そうだが昔のパーティーメンバーに対してはちょっと冷たくないか?」
「そんな昔のことを言われてもね?」
俺は急な展開に驚いている。周りを見ると俺以外も驚いているようだ。挨拶するように準備をしたのにまだ驚いたまま立ち尽くしているのだ。
話の内容からしてカタリーナと昔パーティーを組んでいたようだ。Sランク冒険者と同じパーティーということは目の前にいる王様自体が強いのだろう。
カタリーナと久しぶりに会ったからなのか、二人は軽く談笑すると本題を話し始めた。
「それはそうとまさかあの時の首輪が出てくるとはな……。他の者にも迷惑をかけてすまなかった」
王が簡単に頭を下げたことに俺は驚いた。
「父上頭をお上げください」
「ははは、ガレインよ。ちゃんと謝らないといけない時には謝らないといかんぞ? そこに王族とかは関係ないからな」
「はい、わかりました」
「それでなんでまたあの首輪が出てきたのじゃ? あれはここで厳重に管理してあったんじゃないのか?」
「ああ、そうだ。そもそもそこら辺のスキルじゃ持ち出さないようになってるんだがな……」
強制進化の首輪は外部に持ち出されないように厳重に魔法式で鍵を掛けていた。
それが今回は持ち出されたため魔法式が解除できる者の犯行らしい。
「それで何個無くなっていたんだ?」
「ここで管理していた首輪の三つ全て無くなっていた。しかも巧妙な手口で偽物に差し替えられていたわ」
そこで取り出したのが強制進化の首輪の劣化版だった。
「こっちはガレインがエリートゴブリンに襲われていた時に着けていたやつだ。それでこっちが保管庫に入っていた物だ」
遠くから見ると特に違いがわからない。
「保管庫にあるやつも劣化版ってことか」
「ああ、そういうことだ。この首輪の存在を知ってるやつはあまりいない。それがここまでそっくりに作られてるいたとなれば、何度も侵入し魔法式を解いたことになる」
「そうか……。保管庫はどうしておるのじゃ?」
「前より魔法式を倍にさせて何人かで魔法式を分割にした」
一人で魔法式を組み立てるのではなく、数人で分けることでさらに複雑にし、誰が関与してるのか王にしかわからないようにしたらしい。
「それが突破出来たらとんでもないやつじゃな……」
「とりあえずは魔物が出てきたら冒険者達にも迷惑をかけるかも知れないが犯人はこちらで探るよ」
「そうじゃな! はやく犯人を捕まえて欲しいのじゃ」
強制進化の首輪がついた魔物が出た時はすぐに貴族街まで報告をするようにし、魔物を討伐した際には国から報奨金が追加されることが決定した。
サイレントベアーで一つ回収したため残りはあと二つだった。
「それで君達はガレインを助けてくれたお礼にこれを受け取ってくれ」
王は近くのものに指示すると袋を三個運んできた。
大きめのものはパーティーであるマルクスとリモンへ。残りの一つは俺の目の前に置かれた。
「そういえばケントとラルフと言ったか?」
「はい!」
突然王様に名前を呼ばれてさらに俺は固まった。
王様に名前を呼ばれる経験って生きている中でないに等しいからな。
「そんな驚かなくてもいいぞ。ただ、ガレインのことをよろしく頼むな」
どこか王様の顔は子を思う優しい父の顔だった。
「ガレインは貴族社会ではちょっと生きにくくてな。訳あって外にも出せないのだ」
さっきガレインも言っていたがスキルのことを言っているのだろう。
ガレインの顔を見ると申し訳なさそうな顔をしていた。
きっと王様もまだガレインがスキルを発動できないと思っているはず。
「僕達友達なんで特に頼まれることでも……」
「うん」
「そうか……これからもよろしく頼む」
その後も少し談笑し王のフランクな謁見は終わった。