俺達はギルドマスターに対して自己紹介を一人ずつした。カタリーナは俺が話した時にはニコニコとしてずっと見ていた。
「君達を呼んだのはこの首輪についてじゃ!」
カタリーナはマリリンから渡された手紙と首輪を取り出した。
「なんだその首輪は?」
リモンは首輪の存在を知らなかった。しかし、今回関わったメンバーとして呼ばれていたのだ。
「この首輪は"強制進化の首輪"というものだが……リモン以外は知っているようじゃな」
俺達の反応を見てある程度は把握したのだろう。一緒に住んでいた三人はバイオレンスベアーの時にマリリンから聞いているからな。
「そして君達が王都に来るときにエリートゴブリンが着けていたものがこっちだな。これはさっき見せたやつの下位版となっている」
「そんなもんが世の中にあるんだな。それでなんで俺達をここへ呼んだんだ?」
「口止めするためじゃ」
俺達を呼んだのは箝口令を敷くためだった。確かなマリリンもあまり知られていない話だと言っていた。
「そもそもマルクス達は知っていると思うが、この首輪は王都の城に管理しているものだ」
「それがなんで俺達を呼ぶ理由になるんだ?」
「それが今手元にあるってことはどういうことかわからないほど頭の中は筋肉でできているのか?」
リモンは気づいていなかった。城で管理されているものが世に出ていると厄介な理由が……。
カタリーナは全員の顔を見たあとに俺の方を見た。
「王都の城に何かしらの侵入者が入った、もしくは内通者が城の中にいるってことですよね?」
仕方なく答えるとカタリーナは頷いていた。他の三人は首を傾げているのだ。
「よくわかってるな。ケントの言う通りじゃ。この首輪は城でいくつか管理しているが、下位版が出てるということは作製できるやつがいるってことじゃ」
下位版でも普通のゴブリンがエリートゴブリンに進化するぐらいだ。それをつけた大群が王都や周辺の街を襲撃すればすぐに国が滅びるだろう。
「だから四人には王都ギルドマスターとして命令する。この首輪を他の者へ話てはならぬ」
「はい」
カタリーナからの圧はすぐに返事をしなければいけないほどの雰囲気だった。
「でも僕達が話さなくても解決しませんよね?」
「ああ、その通りだ。だからこの話は直接王に話を通すことにする。それと第三王子を助けたお礼に城へ行くことが決まった」
「へぇ?」
話を聞いた瞬間に時が止まったように感じた。まさかこんなにテンプレ展開があるとは思いもしなかった。
ただ普通に活動している冒険者が王へ謁見することはそもそもまずないことだ。
「準備は城から用意された物を送り届けるそうだ。私も何度か王に合ってるがそんなに気にするでない」
ラルフは城から用意された物って言われると体が震えていた。
「俺も行きたくねーが王に呼ばれたら行かないといけないからな。大丈夫だ!」
以前に気づいたマルクスがラルフの肩を掴んだ。そのおかげか少しずつ震えるは治っていた。
「それでいつに決まったんですか?」
「詳しい日はまだ決まってないからまた決まり次第連絡する」
そこまで謁見するのに時間はかからないらしい。
「じゃあ、話は以上だがケントはそのまま話があるから残ってもらってもいいか?」
「えっ?」
急に呼び止められて俺は驚いていた。何も悪いことしていないはずだ。
「ケントまたなんかしたんか?」
「いや、またって……マルクスさんじゃないんですから」
「うっ……」
俺は地味に昨晩のことを根に持っているからな。寝不足で今もふらふらしているぐらいだ。
「じゃあ、俺達は下で待ってるからな!」
「わかりました」
他の三人は俺を置いて部屋を出て行った。
「それで話はなんですか?」
「コロポックル連れてるのはなぜなのかな?」
急にカタリーナから発せられた言葉に俺は戸惑ってしまった。
今までコロポの存在を気づかれることはなかったのだ。
「その反応は正解のようじゃな!」
「相変わらず大精霊様はすごいのじゃ!」
カタリーナの声に反応したのかコロポはポケットから姿を現した。
「カタリーナ様お久しぶりじゃ!」
「おお、お前はエッセン町近くにいたやつかのー?」
「そうじゃ!」
コロポとカタリーナは話している感じでは元々知り合いなのかお互いの存在を知っていた。
「それでお主がケントと一緒にいるのはなぜだ? そもそも妖精は人間に近づかないはずじゃ」
「それには色々あるんじゃ」
コロポは俺が森で倒れているところから話を説明し、意図的に使役されてからずっと共にしていることを話した。
「やっぱあの時は意図的だったんじゃないですか!」
「なぁ!?」
コロポは俺を騙すように名前をつけさせたことを忘れていた。
「今は良いですけどちゃんと言ってくださいよ」
「はは、すまないんじゃ」
「人間と妖精が良い関係なのは良いことなのじゃ。まぁ、それが分かれば特にケントに話はないんだがこいつをよろしくなのじゃ」
「いえいえ、僕も助かってますから」
「そうじゃ、ケントはわしがいないと……いや、わしがケントの虜になってるんじゃがな」
コロポもマッサージの虜になっている一人だ。
「ははは! いい関係で何よりじゃ!」
「じゃあ、また後日来ます」
俺は部屋から出て二人が待っているところへ向かった。
「妖精と人間が共存できる時代も遠くないか……」
カタリーナの呟きは静かな部屋の中で響いていた。
「君達を呼んだのはこの首輪についてじゃ!」
カタリーナはマリリンから渡された手紙と首輪を取り出した。
「なんだその首輪は?」
リモンは首輪の存在を知らなかった。しかし、今回関わったメンバーとして呼ばれていたのだ。
「この首輪は"強制進化の首輪"というものだが……リモン以外は知っているようじゃな」
俺達の反応を見てある程度は把握したのだろう。一緒に住んでいた三人はバイオレンスベアーの時にマリリンから聞いているからな。
「そして君達が王都に来るときにエリートゴブリンが着けていたものがこっちだな。これはさっき見せたやつの下位版となっている」
「そんなもんが世の中にあるんだな。それでなんで俺達をここへ呼んだんだ?」
「口止めするためじゃ」
俺達を呼んだのは箝口令を敷くためだった。確かなマリリンもあまり知られていない話だと言っていた。
「そもそもマルクス達は知っていると思うが、この首輪は王都の城に管理しているものだ」
「それがなんで俺達を呼ぶ理由になるんだ?」
「それが今手元にあるってことはどういうことかわからないほど頭の中は筋肉でできているのか?」
リモンは気づいていなかった。城で管理されているものが世に出ていると厄介な理由が……。
カタリーナは全員の顔を見たあとに俺の方を見た。
「王都の城に何かしらの侵入者が入った、もしくは内通者が城の中にいるってことですよね?」
仕方なく答えるとカタリーナは頷いていた。他の三人は首を傾げているのだ。
「よくわかってるな。ケントの言う通りじゃ。この首輪は城でいくつか管理しているが、下位版が出てるということは作製できるやつがいるってことじゃ」
下位版でも普通のゴブリンがエリートゴブリンに進化するぐらいだ。それをつけた大群が王都や周辺の街を襲撃すればすぐに国が滅びるだろう。
「だから四人には王都ギルドマスターとして命令する。この首輪を他の者へ話てはならぬ」
「はい」
カタリーナからの圧はすぐに返事をしなければいけないほどの雰囲気だった。
「でも僕達が話さなくても解決しませんよね?」
「ああ、その通りだ。だからこの話は直接王に話を通すことにする。それと第三王子を助けたお礼に城へ行くことが決まった」
「へぇ?」
話を聞いた瞬間に時が止まったように感じた。まさかこんなにテンプレ展開があるとは思いもしなかった。
ただ普通に活動している冒険者が王へ謁見することはそもそもまずないことだ。
「準備は城から用意された物を送り届けるそうだ。私も何度か王に合ってるがそんなに気にするでない」
ラルフは城から用意された物って言われると体が震えていた。
「俺も行きたくねーが王に呼ばれたら行かないといけないからな。大丈夫だ!」
以前に気づいたマルクスがラルフの肩を掴んだ。そのおかげか少しずつ震えるは治っていた。
「それでいつに決まったんですか?」
「詳しい日はまだ決まってないからまた決まり次第連絡する」
そこまで謁見するのに時間はかからないらしい。
「じゃあ、話は以上だがケントはそのまま話があるから残ってもらってもいいか?」
「えっ?」
急に呼び止められて俺は驚いていた。何も悪いことしていないはずだ。
「ケントまたなんかしたんか?」
「いや、またって……マルクスさんじゃないんですから」
「うっ……」
俺は地味に昨晩のことを根に持っているからな。寝不足で今もふらふらしているぐらいだ。
「じゃあ、俺達は下で待ってるからな!」
「わかりました」
他の三人は俺を置いて部屋を出て行った。
「それで話はなんですか?」
「コロポックル連れてるのはなぜなのかな?」
急にカタリーナから発せられた言葉に俺は戸惑ってしまった。
今までコロポの存在を気づかれることはなかったのだ。
「その反応は正解のようじゃな!」
「相変わらず大精霊様はすごいのじゃ!」
カタリーナの声に反応したのかコロポはポケットから姿を現した。
「カタリーナ様お久しぶりじゃ!」
「おお、お前はエッセン町近くにいたやつかのー?」
「そうじゃ!」
コロポとカタリーナは話している感じでは元々知り合いなのかお互いの存在を知っていた。
「それでお主がケントと一緒にいるのはなぜだ? そもそも妖精は人間に近づかないはずじゃ」
「それには色々あるんじゃ」
コロポは俺が森で倒れているところから話を説明し、意図的に使役されてからずっと共にしていることを話した。
「やっぱあの時は意図的だったんじゃないですか!」
「なぁ!?」
コロポは俺を騙すように名前をつけさせたことを忘れていた。
「今は良いですけどちゃんと言ってくださいよ」
「はは、すまないんじゃ」
「人間と妖精が良い関係なのは良いことなのじゃ。まぁ、それが分かれば特にケントに話はないんだがこいつをよろしくなのじゃ」
「いえいえ、僕も助かってますから」
「そうじゃ、ケントはわしがいないと……いや、わしがケントの虜になってるんじゃがな」
コロポもマッサージの虜になっている一人だ。
「ははは! いい関係で何よりじゃ!」
「じゃあ、また後日来ます」
俺は部屋から出て二人が待っているところへ向かった。
「妖精と人間が共存できる時代も遠くないか……」
カタリーナの呟きは静かな部屋の中で響いていた。