ラルフは冒険者登録のためにプラナスにステータスを開示していた。

「ラルフくん十一歳なんですね」

 狼の獣人のためか俺よりも体は大きいが同い年だった。

「スキルは……。あー、初めてみるタイプなので私にはわからないですね」

 プラナスはラルフのスキルを見るが、長いこと受け付けをやってても初めてみるものらしい。

「外れスキルと教会では言われてました」

 まさかここでも外れスキルと言われている人に出会うとは思いもしなかった。

「俺も外れスキルだけどね?」

 そんな会話を聞いていた俺はボソッと呟いやくとラルフは耳をピクッとした。

「えっ、ケントもなのか?」

「幸い使い方はわかったからどうにかなったけどな」

「ケントのスキルは独特だけど俺が冒険者に復帰出来たのはこいつのお陰だからな」

 マルクスはここ1年の経緯を話した。

「ケントは凄いな。オラは外れスキルなのに何もできない役立たずだ」

 そこまで言う外れスキルが少しずつ気になってきた。

「ラルフはどんなスキルなんだ?」

「俺のはこんな感じだよ」

 ラルフは俺に見えるように開示した。

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《ステータス》
[名前] ラルフ
[種族] 人間/男
[固有スキル] 放射線技師
[職業] なし

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 スキル【放射線技師】を見て固まった。アリミアに続く医療系のスキルだったからだ。

 そもそもこの国では外れスキルと言われるのは医療系なのかもしれない。

「やっぱケントでもわからないか」

 俺の反応にラルフは落ち込んでいた。

「こんな所にいたのか」

「えっ?」

 ラルフの肩を掴み詰め寄った。

「マルクスさんの病気を明確に出来ますよ」

 マルクスの腰部が明確に診断ができる画像所見を求めていたが諦めていた。

 しかし、スキル【放射線技師】であればその可能性が出てきた。

 基本的にはMRI画像の方が判断しやすい。

「本当か?」

 スキルに使い道があると感じたラルフと原因が絞れるマルクスは、俺の話しに興味が湧いていた。

「多分ですがまた夜にでも検証してみましょう。まずは初めにラルフの冒険者登録を進めましょう」

 後ろに冒険者の列もできていたため、すぐにラルフの冒険者登録を行った。


「ではステータスボートの確認をお願いします」

 ラルフのステータスは以下のようになっていた。

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《ステータス》
[名前] ラルフ
[種族] 人間/男
[固有スキル] 放射線技師
[職業] ランクなし冒険者

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 これからラルフの大変な冒険者人生が始まった。