俺は二人にもしっかりと説明する必要性を感じた。そもそもストレッチや柔軟性、筋肉などの単語もわからないだろう。
「これである程度は動きやすくなるとは思いますがどうですか?」
俺はマルクスに言うと少しずつ歩き出した。
「ああ、さっきまでの痛みが本当に減ったぞ!」
マルクスの言葉にスターチスは不思議そうな顔で見ていた。
「これならいけるかもしれないぞ」
すると咄嗟にマルクスは自身のハンマーを持ち軽く振り回しだした。
体が痛くてと見栄を張ってハンマーを持ってきたのだろう。そんなマルクスはハンマーを振り回しても痛みの訴えは特に見られなかった。
むしろ元Aランクが軽く振り回すハンマーの風圧は俺の髪が大きくなびくぐらいすごかった。
マルクスは持っているハンマーを置き、その場で座っている俺の手を握った。その手はすごく震えており、今までの苦労が手から感じた。
「ありがとう……ありがとう……ありがとう。これでまた冒険者が続けられる」
マルクスの目からは涙が溢れ出ていた。どれだけ教会にお金を寄付しても変わらず痛み続けた腰は治ったと思っているのだろう。
「マルクスさんよかったですね」
そんな姿を見たスターチスはマルクスの背中をさすっていた。
だけど俺は彼に伝えないといけないことがあった。
「あのー、すみません。とても言いづらいんですけど治療はまだ終わってませんよ?」
「……」
俺の言葉にマルクスとスターチスは時が止まったように固まっていた。
前世でも一回その場で痛みが取れたら治ったと勘違いしてた人多かったから勘違いするよなっと思いながら俺は見ていた。
「すみません、リハビリは一回だけじゃ戻りますよ」
「えっ?」
マルクスとスターチスは驚いていた。いつのまにかマルクスの目から出ていた涙は止まっていた。
さっきまでの感動を返せよという顔で二人は俺を見ていた。
「だからマルクスさんこれからも通ってくださいね。あっ、次からはちゃんとお金を貰いますので図鑑を教えてもらうのは今日だけですよ! 」
俺はしっかりと営業した。この人は騙して俺の技術を無料で受ける気だったからな。
「それでは次の人来たんでマルクスさんどいてくださいね!」
俺はマルクスを追い払い新規で来ていた依頼主の相手をすることにした。
「スターチス……」
「はい」
「あいつオーガだな」
「いや、オーガより恐ろしい魔物に見えましたよ」
そんな話をしている二人だったが、冒険者ギルド内では久しぶりにマルクスの笑い声が響いていた。
「これである程度は動きやすくなるとは思いますがどうですか?」
俺はマルクスに言うと少しずつ歩き出した。
「ああ、さっきまでの痛みが本当に減ったぞ!」
マルクスの言葉にスターチスは不思議そうな顔で見ていた。
「これならいけるかもしれないぞ」
すると咄嗟にマルクスは自身のハンマーを持ち軽く振り回しだした。
体が痛くてと見栄を張ってハンマーを持ってきたのだろう。そんなマルクスはハンマーを振り回しても痛みの訴えは特に見られなかった。
むしろ元Aランクが軽く振り回すハンマーの風圧は俺の髪が大きくなびくぐらいすごかった。
マルクスは持っているハンマーを置き、その場で座っている俺の手を握った。その手はすごく震えており、今までの苦労が手から感じた。
「ありがとう……ありがとう……ありがとう。これでまた冒険者が続けられる」
マルクスの目からは涙が溢れ出ていた。どれだけ教会にお金を寄付しても変わらず痛み続けた腰は治ったと思っているのだろう。
「マルクスさんよかったですね」
そんな姿を見たスターチスはマルクスの背中をさすっていた。
だけど俺は彼に伝えないといけないことがあった。
「あのー、すみません。とても言いづらいんですけど治療はまだ終わってませんよ?」
「……」
俺の言葉にマルクスとスターチスは時が止まったように固まっていた。
前世でも一回その場で痛みが取れたら治ったと勘違いしてた人多かったから勘違いするよなっと思いながら俺は見ていた。
「すみません、リハビリは一回だけじゃ戻りますよ」
「えっ?」
マルクスとスターチスは驚いていた。いつのまにかマルクスの目から出ていた涙は止まっていた。
さっきまでの感動を返せよという顔で二人は俺を見ていた。
「だからマルクスさんこれからも通ってくださいね。あっ、次からはちゃんとお金を貰いますので図鑑を教えてもらうのは今日だけですよ! 」
俺はしっかりと営業した。この人は騙して俺の技術を無料で受ける気だったからな。
「それでは次の人来たんでマルクスさんどいてくださいね!」
俺はマルクスを追い払い新規で来ていた依頼主の相手をすることにした。
「スターチス……」
「はい」
「あいつオーガだな」
「いや、オーガより恐ろしい魔物に見えましたよ」
そんな話をしている二人だったが、冒険者ギルド内では久しぶりにマルクスの笑い声が響いていた。