次の日も俺は冒険者ギルドに向かった。
ちなみに冒険者であったことをアニーに話すとスキルのお披露目会となった。やはりマッサージは絶賛され、なぜ奴隷にされたのか不思議に思ったらしい。
「おはようございます!」
俺は並ぶのが嫌だったため、今日もギルドマスターの受付に並んだ。
「おう、ケントか。今日から依頼を受けるならその前に俺の肩を――」
「マスター?」
「スターチス!?」
いつのまにかギルドマスターの後ろにはスターチスが立っていた。
「ケントくんはこっちで依頼を受けようか。マスターはどいてちょうだい!」
スターチスはギルドマスターを押して、俺に依頼を勧めてきた。この強引さが冒険者から好かれているのだろう。
「じゃあ、依頼はこれだけあるけどどうかしら?」
直接渡されたのは三つの依頼だった。
――――――――――――――――――――
【F.部屋の掃除協力者募集】
【F.治療院の手伝い】
【F.マッサージをして欲しい】
――――――――――――――――――――
掃除の募集は二人で行う予定になっていたため、もう一人受ける人が来るまで待機になる予定だった。
「ならこの二つで!」
「二つも受けるんですか?」
「生活費も欲しいですし、時間的にも丁度良さそうですし」
一般的に冒険者は一つの依頼を受けるのが当たり前となっている。
依頼を失敗するとランクポイントが初めからになるため慎重になる。
また、一般の職業よりはCランク以上であれば時間給が良いのも理由の一つだ。
「では、【F.治療院の手伝い】と【F.マッサージをして欲しい】を受ける形で良いかしらね?」
俺は小さく頷いた。
「ではこの石版の上に手を置いてください」
俺はそこに手を置くと石版が光り、徐々に俺の手の中に収まっていった。
「ではステータスを確認してください」
《ステータス》
[名前] ケト→ケント
[種族] 人間/男
[能力値] 力E/C 防御E/C 魔力E/C 速度E/C
[固有スキル] 理学療法
[職業]Fランク冒険者
【F.治療院の手伝い】
【F.マッサージをして欲しい】
「職業の欄に依頼が増えました」
冒険者になってからステータスに職業が増え、そこには依頼名が記載されていた。
「それで依頼が受理されたってことよ。じゃあ治療院と鍛冶屋の場所を説明するからそこに向かってね」
スターチスは町の地図を広げると場所の説明を始めた。
「治療院も鍛冶屋も一つしかないからわかりやすいと思うけど、ここの中央にあるのが冒険者ギルドよ。そこから東に向かうと治療院も鍛冶屋もあるからきっと行けるわ」
「わかりました。細かく説明して頂いて助かりました! 」
俺は冒険者ギルドを出ようとするとスターチスに止められた。
「あっ、ちょっと待ってちょうだい。依頼報告は今日来るのかしら?」
「そのつもりでいます」
「今日夕方過ぎには仕事が終わるのよね……」
「はい……?」
「だからあれよ。マッサージをしてってことよ」
スターチスの顔はなぜが真っ赤に染まっていた。それを見ていたまわりの冒険者は俺に対して睨んできた。
十一歳の少年に嫉妬するなんて寂しいやつらめ。
未婚で人気の高い受付嬢であるスターチスと別室でいやらしい声が聞こえてくるほどのマッサージをしているから仕方ないけどな。
「マッサージぐらいなら……」
"マッサージぐらい"という発言に冒険者の睨みはさらに強くなっていた。
俺は逃げるように冒険者ギルドを出た。
「ケントくん絶対よー!!」
「お前もあれにハマったのか」
「マスター、あれは最高よ。私なんて全身やってもら――」
「全身!?」
ギルドマスターと冒険者達は声を揃えていた。
「俺も全身……」
「マスターはまず仕事をしてくださいね?」
スターチスも自身の仕事に戻っていった。
ちなみに冒険者であったことをアニーに話すとスキルのお披露目会となった。やはりマッサージは絶賛され、なぜ奴隷にされたのか不思議に思ったらしい。
「おはようございます!」
俺は並ぶのが嫌だったため、今日もギルドマスターの受付に並んだ。
「おう、ケントか。今日から依頼を受けるならその前に俺の肩を――」
「マスター?」
「スターチス!?」
いつのまにかギルドマスターの後ろにはスターチスが立っていた。
「ケントくんはこっちで依頼を受けようか。マスターはどいてちょうだい!」
スターチスはギルドマスターを押して、俺に依頼を勧めてきた。この強引さが冒険者から好かれているのだろう。
「じゃあ、依頼はこれだけあるけどどうかしら?」
直接渡されたのは三つの依頼だった。
――――――――――――――――――――
【F.部屋の掃除協力者募集】
【F.治療院の手伝い】
【F.マッサージをして欲しい】
――――――――――――――――――――
掃除の募集は二人で行う予定になっていたため、もう一人受ける人が来るまで待機になる予定だった。
「ならこの二つで!」
「二つも受けるんですか?」
「生活費も欲しいですし、時間的にも丁度良さそうですし」
一般的に冒険者は一つの依頼を受けるのが当たり前となっている。
依頼を失敗するとランクポイントが初めからになるため慎重になる。
また、一般の職業よりはCランク以上であれば時間給が良いのも理由の一つだ。
「では、【F.治療院の手伝い】と【F.マッサージをして欲しい】を受ける形で良いかしらね?」
俺は小さく頷いた。
「ではこの石版の上に手を置いてください」
俺はそこに手を置くと石版が光り、徐々に俺の手の中に収まっていった。
「ではステータスを確認してください」
《ステータス》
[名前] ケト→ケント
[種族] 人間/男
[能力値] 力E/C 防御E/C 魔力E/C 速度E/C
[固有スキル] 理学療法
[職業]Fランク冒険者
【F.治療院の手伝い】
【F.マッサージをして欲しい】
「職業の欄に依頼が増えました」
冒険者になってからステータスに職業が増え、そこには依頼名が記載されていた。
「それで依頼が受理されたってことよ。じゃあ治療院と鍛冶屋の場所を説明するからそこに向かってね」
スターチスは町の地図を広げると場所の説明を始めた。
「治療院も鍛冶屋も一つしかないからわかりやすいと思うけど、ここの中央にあるのが冒険者ギルドよ。そこから東に向かうと治療院も鍛冶屋もあるからきっと行けるわ」
「わかりました。細かく説明して頂いて助かりました! 」
俺は冒険者ギルドを出ようとするとスターチスに止められた。
「あっ、ちょっと待ってちょうだい。依頼報告は今日来るのかしら?」
「そのつもりでいます」
「今日夕方過ぎには仕事が終わるのよね……」
「はい……?」
「だからあれよ。マッサージをしてってことよ」
スターチスの顔はなぜが真っ赤に染まっていた。それを見ていたまわりの冒険者は俺に対して睨んできた。
十一歳の少年に嫉妬するなんて寂しいやつらめ。
未婚で人気の高い受付嬢であるスターチスと別室でいやらしい声が聞こえてくるほどのマッサージをしているから仕方ないけどな。
「マッサージぐらいなら……」
"マッサージぐらい"という発言に冒険者の睨みはさらに強くなっていた。
俺は逃げるように冒険者ギルドを出た。
「ケントくん絶対よー!!」
「お前もあれにハマったのか」
「マスター、あれは最高よ。私なんて全身やってもら――」
「全身!?」
ギルドマスターと冒険者達は声を揃えていた。
「俺も全身……」
「マスターはまず仕事をしてくださいね?」
スターチスも自身の仕事に戻っていった。