群青だらけの世界から見た君は、何色と表せないほど美しかった。
 俺は一生、群青色でしか描いてはいけないと思っていた。
 本当の思いをずっとずっと何も見えなくなるような群青色で塗り替えしていた。
 苦しかった。
 心の底から掬い上げたこのわずかな思いを誰かに伝えてみたかった。

 でも、俺は君と出会って世界が色づき始めた気がしたんだ。
 止めてしまった時間を君は動かしてくれた。
 君と見たあの夕焼けの空。
 君が奏でる音楽。
 君のお花のような柔らかな笑顔。
 そんな君に、俺は何色を表したらいいのだろうか。
 君は何色が好きなんだろうか。
 俺はあの日までに答えを探したい。

 重なり合う色と音を君へ。
 また君の笑顔が見られるように。


 『そう。約束のあの日までに』