すたっというトナカイが地面に足が触れた音と共に僕たちはアンナちゃんの家に到着した。
トナカイとはここでお別れ。
24日にはサンタさんが迎えにきてくれるから。
家の全体は木をベースにしていておしゃれな雰囲気が漂っている。
玄関の近くには小さな雪だるまが作られていた。
赤いバケツを頭に被っている。
顔もあり、鼻には小さなにんじんが使われていた。

「雪だるまさん寒くないのかなぁ？」

僕はお姉ちゃんに向かってそう呟き、小首を傾げた。
そうするとお姉ちゃんは僕に近づき、頭を撫でた。

「どうしたの？お姉ちゃん？」

と言い戸惑いの表情を見せると

「弟くんは可愛いなぁと思って」

にぱっと笑うお姉ちゃん。
その笑顔はまだ暗い空を照らす月のようだった。
なんかよく分からないけど、少しくすぐったいような気持ちになって

「ありがとう」

感謝の気持ちが伝わるようにこの言葉を贈った。
単純に嬉しいという気持ちが鮮やかにお姉ちゃんに届きますように。

杏奈ちゃんの家に向き直る。
ここから僕たちの冒険が始まるのだろう。
これから、聞いたことも、見たこともないものに触れることだろう。
この経験が僕たちを成長させる。

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キラキラと光る夜空が僕たちを見守っている。
こんな煌びやかな夜に僕たちはあの子に出会った。