いちご:花言葉「あなたは私を喜ばせる」
「うわ、また勝手に撮ったでしょ」
スマホのシャッターの音がして、私は顔を顰めた。
「めっちゃブレてる! 見てこれ」
目の前でケラケラと笑う男子を睨みつける。
こうして私の顔を撮っては笑ってくるのだ。
「消しといてよ!」
「いいじゃん、面白くて」
「最悪すぎ」
彼が頻繁に私に構ってくることを、私は本気で嫌がることができない。
好きなのかって言われたら、別にそんなんじゃない。
馬鹿にされたり、笑われるのはムカつくし。でも、気楽に話せるこの関係は心地いい。
「てか、前髪ちぎった?」
「切りすぎたの!」
ふざけた言い方をしてくる彼の脚を軽く蹴る。
あーもー、やっぱムカつく!
前髪のこと気にしてたのに!
すると、彼は私の顔を覗き込んで、首を傾げた。
「俺、このくらいの長さの方が好きだけど」
さらりと、心を攫うような言葉が吹き抜けていく。
私は目をまん丸くしたまま、もう一度彼の脚を蹴った。
「いてっ」
彼のことなんて、好きじゃない。
デリカシーないし、子どもっぽいし。
だけど、時々彼の言葉は私を喜ばせる。
「うわ、また勝手に撮ったでしょ」
スマホのシャッターの音がして、私は顔を顰めた。
「めっちゃブレてる! 見てこれ」
目の前でケラケラと笑う男子を睨みつける。
こうして私の顔を撮っては笑ってくるのだ。
「消しといてよ!」
「いいじゃん、面白くて」
「最悪すぎ」
彼が頻繁に私に構ってくることを、私は本気で嫌がることができない。
好きなのかって言われたら、別にそんなんじゃない。
馬鹿にされたり、笑われるのはムカつくし。でも、気楽に話せるこの関係は心地いい。
「てか、前髪ちぎった?」
「切りすぎたの!」
ふざけた言い方をしてくる彼の脚を軽く蹴る。
あーもー、やっぱムカつく!
前髪のこと気にしてたのに!
すると、彼は私の顔を覗き込んで、首を傾げた。
「俺、このくらいの長さの方が好きだけど」
さらりと、心を攫うような言葉が吹き抜けていく。
私は目をまん丸くしたまま、もう一度彼の脚を蹴った。
「いてっ」
彼のことなんて、好きじゃない。
デリカシーないし、子どもっぽいし。
だけど、時々彼の言葉は私を喜ばせる。