僕は次の方法を探すために、近くにいたマンドラゴラを引き抜く。いつの間にかロンリーコンやショタッコンもいなくなったため、頼れる人がいないのだ。
『マン……ドラアアアアアアアアアア!』
やはりマンドラゴラは臭いに敏感なんだろう。叫びながらジタバタしている。
「ヨウヨウ、ニオイノケシカタオシエテクレ」
『マンマン、ハヤクカワニイケ! ドラ……ドラアアアアアアアアアア!』
どうやら川にいけば臭いが取れるのかも知らない。マンドラゴラにお礼を伝えて土の中に戻して埋めてあげる。
今度は川に向かうことにした。
『マンマン、アナガチガウドラアアアアアアアアアア! ココノアナクサイドラアアアアア!』
土の中でマンドラゴラは叫んでいたが、その声が聞こえるものは誰一人としていなかった。
♢
森の中で川を探すために歩いていると、近くを通る魔物や動物に遭遇した。ただ、においに敏感なのか走って逃げていく。
緑色の見た目をした背丈が同じぐらいの人間にも会ったが、すぐに走って逃げていった。武器を持って走ってきたのは、何か理由があったのだろうか。
ただ、魔物に襲われる心配がないため、探索には向いているのかもしれない。
「あっ、水の音がするよ!」
どこからか水の流れる音が聞こえてきた。きっと川が近くにあるはずだ。
木をかき分けて森の中を進んでいくと、大きなもふもふしたやつと目が合った。体を洗っていたのかゴシゴシと擦っている。
「もっ……もふもふ!?」
僕は急いでもふもふに近寄る。だが、大きなもふもふは顔を歪めて川の中に入る。そのままどこかへ行ってしまった。
特徴的な長い尻尾がゆらゆらと川に流れていく。
それだけゴブゥの臭いが強烈なんだろう。ずっとゴブゥといたらもふもふもできなくなってしまいそうだ。
「もう誰ももふもふさせてくれないのかな」
せっかく会えたのに悲しくなってきた。そんな僕を慰めようと、一生懸命ゴブゥは僕の頭撫でてくれる。
それでもやっぱり臭いのだ。ゴブゥの手が臭すぎる。
「もう、ゴブゥのせいなんだからね! もっといい匂いを出してくれたら、僕はみんなに嫌われずに済むのに……」
ゴブゥに八つ当たりしても仕方ない。それでもゴブゥは自分のことを理解しているのだろう。
僕の腕から飛び降りて、トボトボと寂しそうに川を歩いていく。
ゴブゥは水が嫌いなのか、恐る恐る手をつけて川に入っていく。必死に川に体を浸けてゴシゴシと擦っている。
体についた臭いを取るために、何度も何度も体が傷ついても止めようとしない。
それだけ僕と一緒にいたいのだろうか。
「もう、いいよ! そこまでしなくても――」
『ゴブゥ!』
もふもふできないのは辛い。でも大事な家族が傷つく姿はもっと見たくない。
ゴブゥを止めようと追いかけるが、気づいた時にはゴブゥは川に流されていく。
あの鳴き声は溺れている声だった。
『マン……ドラアアアアアアアアアア!』
やはりマンドラゴラは臭いに敏感なんだろう。叫びながらジタバタしている。
「ヨウヨウ、ニオイノケシカタオシエテクレ」
『マンマン、ハヤクカワニイケ! ドラ……ドラアアアアアアアアアア!』
どうやら川にいけば臭いが取れるのかも知らない。マンドラゴラにお礼を伝えて土の中に戻して埋めてあげる。
今度は川に向かうことにした。
『マンマン、アナガチガウドラアアアアアアアアアア! ココノアナクサイドラアアアアア!』
土の中でマンドラゴラは叫んでいたが、その声が聞こえるものは誰一人としていなかった。
♢
森の中で川を探すために歩いていると、近くを通る魔物や動物に遭遇した。ただ、においに敏感なのか走って逃げていく。
緑色の見た目をした背丈が同じぐらいの人間にも会ったが、すぐに走って逃げていった。武器を持って走ってきたのは、何か理由があったのだろうか。
ただ、魔物に襲われる心配がないため、探索には向いているのかもしれない。
「あっ、水の音がするよ!」
どこからか水の流れる音が聞こえてきた。きっと川が近くにあるはずだ。
木をかき分けて森の中を進んでいくと、大きなもふもふしたやつと目が合った。体を洗っていたのかゴシゴシと擦っている。
「もっ……もふもふ!?」
僕は急いでもふもふに近寄る。だが、大きなもふもふは顔を歪めて川の中に入る。そのままどこかへ行ってしまった。
特徴的な長い尻尾がゆらゆらと川に流れていく。
それだけゴブゥの臭いが強烈なんだろう。ずっとゴブゥといたらもふもふもできなくなってしまいそうだ。
「もう誰ももふもふさせてくれないのかな」
せっかく会えたのに悲しくなってきた。そんな僕を慰めようと、一生懸命ゴブゥは僕の頭撫でてくれる。
それでもやっぱり臭いのだ。ゴブゥの手が臭すぎる。
「もう、ゴブゥのせいなんだからね! もっといい匂いを出してくれたら、僕はみんなに嫌われずに済むのに……」
ゴブゥに八つ当たりしても仕方ない。それでもゴブゥは自分のことを理解しているのだろう。
僕の腕から飛び降りて、トボトボと寂しそうに川を歩いていく。
ゴブゥは水が嫌いなのか、恐る恐る手をつけて川に入っていく。必死に川に体を浸けてゴシゴシと擦っている。
体についた臭いを取るために、何度も何度も体が傷ついても止めようとしない。
それだけ僕と一緒にいたいのだろうか。
「もう、いいよ! そこまでしなくても――」
『ゴブゥ!』
もふもふできないのは辛い。でも大事な家族が傷つく姿はもっと見たくない。
ゴブゥを止めようと追いかけるが、気づいた時にはゴブゥは川に流されていく。
あの鳴き声は溺れている声だった。