二人とも王都に帰ると言っていたため、一緒に帰ることにした。道中、二人が薬草を見つけては、いらないからと僕が回収してもらうことになった。

 僕が採取した薬草よりも、ギルドスタッフに聞いた薬草の特徴にどこか似ていた。

「ちょっとここで休憩しようか」

 開けた場所で僕は切り株の上に座る。たくさん歩いたからか足が疲れた。

 今回もふもふさせてくれたお礼を伝える前にどこかへ消えてしまった。

 また僕は感謝を伝えることができなかったようだ。

 しかも、マンドラゴラがいたところにはガチャコインが落ちていた。ガチャコインが手に入れば、新しいもふもふに出会えるチャンスだ。

 いつまでも落ち込んでいてはだめだ。ここは切り替えるのが大事。

「少しスキルを使ってもいいですか?」

 僕の言葉に二人は頷く。二人にはまだスキルを見せたことがないな。

「いでよ、ガチャテイム!」

 スキルを使うといつものように、空から謎の物体が落ちてきた。ガチャは普段と変わりなくカクカクとしている。

「おい、新種の魔物か!」

「リックくん下がって!」

 二人は僕を守るように武器を構える。さすがSランク冒険者って感じだ。すぐに反応して僕を遠ざける。

 だが、僕はそれを無視してガチャに近づく。

「おい、リック危ない――」

「これが僕のスキルですよ」

 僕の言葉に二人は驚いていた。口がポカーンと空いている。

「これで魔物を攻撃するのか?」

「さすが愛しのリックだ! 魔物の上に落として即死させるスキルだね!」

 ショタッコンの言葉に僕はスキルの可能性を感じた。確かに魔物がたくさんいるところにスキルを使えば、ガチャが落ちてくるはずだ。

 うまくいけば敵を一掃することもできるだろう。さすがSランク冒険者は考えていることが違った。

「これはモスス達を召喚したスキルなんだ」

「モススもここから出てきたのか?」

「さすが愛しのリックくん! 直接子どもを産むなんて。いつかは俺の――」

「それ以上は言わせないぞ!」

 今日もロンリーコンとショタッコンは仲良しだ。二人は楽しそうにはしゃいでいる。

 僕も一緒に遊べる年が近い友達が欲しいと改めて思った。

「じゃあ、今からガチャを回すから離れてね」

 ガチャコインを隙間に入れる。あとは取っ手部分を回せば、いつものように何かが出てくる。

「可愛いもふもふよ。出てこーい!」

 僕の声とともにガチャから緑の何かが転がってきた。

 ああ、僕がずっと会いたかったパートナーが出てきてくれたようだ。制限回数があり、すぐに消えてしまった初めてのパートナー。

「ゴブリンだぁ!」

「カメムシじゃねーか!」

 再び僕はゴブリンに会うことができた。