冒険者ギルドに行くと採取依頼を持って受付へ向かう。
「今日はお一人ですか?」
「いや、さっきまでロンリーコンさんが……」
僕が後ろを振り返るとロンリーコンの姿はなかった。単純に僕に挨拶しただけらしい。
冒険者ギルドで一人で依頼を受けるのも、遠い昔のように感じる。僕はいつものように採取依頼の確認と周辺の情報を聴取する。
最近王都の近くではゴブリンが出てくることが増えたらしい。ひょっとしたら、昔ガチャテイムしたゴブリンに会えるかもしれないとつい思ってしまう。
そもそもガチャテイムで出てきたモスス達はどこから来た存在なんだろうか。
この間聞いた時もみんな首を傾げていたから、きっと本人達はわからないのだろう。
「今回の依頼が達成するとDランクに上がりますが大丈夫ですか?」
王都の冒険者ギルドにはランクを上げたくないと説明している。でも、今の僕はランクを上げても構わなくなった。
説明するとオオバッカのことを教えてもらった。今は冒険者ギルドから除名されているらしい。
噂ではどこかの牢屋に入れられるか、犯罪奴隷として何十年間も働かされるらしい。本当のことは関係者しかわからないのだろう。
それでも復讐に来たらやり返せるだけの力はつけておきたいな。
ギルドスタッフにお礼を伝えて早速薬草の採取に向かった。
♢
「おい、リックは冒険者ギルドに来たか?」
いつまで経っても冒険者ギルドに現れないため、王都中を探していた。一度確認するためにロンリーコンが待つ冒険者ギルドに戻ったのだ。
「リックなら今来たばかりだぞ。なんか魔女の気まぐれに巻き込まれていたらしい」
過去にリックは魔女に会っているとオーブナーから聞いている。リックはドワーフと勘違いしていたが、魔女って姿を変えて現れるから誰も気づかないだろう。
だから一部では"魔女の気まぐれ"と呼ばれている。
「いってきまーす!」
声を上げてリックは冒険者ギルドを後にした。今日も頭の上にモススを乗せている。
「はぁ……尊い……」
リックを見ると疲れが一気に吹っ飛んでしまう。しばらく会えなかったが、公爵家から説明を聞いた時はオオバッカを殺しに行こうと思った。
稀に貴族冒険者は存在しているが、基本的に冒険者やギルドはあまり関わろうとしない。それが今回の事件がきっかけで冒険者ギルドが貴族関係なく取り締まることになった。
なぜか王族からの圧力が冒険者ギルドにかかった。今までそんなことはなかったのに、リックが何かを変えたのだろう。
さすが俺の愛しのリックだ。
「あっ、また違うところに行くぞ!」
「バウッ!」
俺はリックが違う森に入らないように動物の鳴きマネをする。
「あっ、あっちにもふもふがいるのかな!」
そう言ってリックは軌道修正して森に向かっていく。迷子になりやすいのは知っていたが、いつも本能に従って動いているから目が離せない。
今日俺達がリックの後を追っているのも公爵様に頼まれた依頼だ。
公爵様はとてもリックとマリアを気に入っていた。だから、依頼した瞬間に俺達は同志となった。
今度はリックの寝顔を魔道具で撮った紙をくれるらしい。
それが貰えたら護衛費なんていらない。
ああ、今日も愛しいリックは楽しそうに違う森に入っていく。
「今日はお一人ですか?」
「いや、さっきまでロンリーコンさんが……」
僕が後ろを振り返るとロンリーコンの姿はなかった。単純に僕に挨拶しただけらしい。
冒険者ギルドで一人で依頼を受けるのも、遠い昔のように感じる。僕はいつものように採取依頼の確認と周辺の情報を聴取する。
最近王都の近くではゴブリンが出てくることが増えたらしい。ひょっとしたら、昔ガチャテイムしたゴブリンに会えるかもしれないとつい思ってしまう。
そもそもガチャテイムで出てきたモスス達はどこから来た存在なんだろうか。
この間聞いた時もみんな首を傾げていたから、きっと本人達はわからないのだろう。
「今回の依頼が達成するとDランクに上がりますが大丈夫ですか?」
王都の冒険者ギルドにはランクを上げたくないと説明している。でも、今の僕はランクを上げても構わなくなった。
説明するとオオバッカのことを教えてもらった。今は冒険者ギルドから除名されているらしい。
噂ではどこかの牢屋に入れられるか、犯罪奴隷として何十年間も働かされるらしい。本当のことは関係者しかわからないのだろう。
それでも復讐に来たらやり返せるだけの力はつけておきたいな。
ギルドスタッフにお礼を伝えて早速薬草の採取に向かった。
♢
「おい、リックは冒険者ギルドに来たか?」
いつまで経っても冒険者ギルドに現れないため、王都中を探していた。一度確認するためにロンリーコンが待つ冒険者ギルドに戻ったのだ。
「リックなら今来たばかりだぞ。なんか魔女の気まぐれに巻き込まれていたらしい」
過去にリックは魔女に会っているとオーブナーから聞いている。リックはドワーフと勘違いしていたが、魔女って姿を変えて現れるから誰も気づかないだろう。
だから一部では"魔女の気まぐれ"と呼ばれている。
「いってきまーす!」
声を上げてリックは冒険者ギルドを後にした。今日も頭の上にモススを乗せている。
「はぁ……尊い……」
リックを見ると疲れが一気に吹っ飛んでしまう。しばらく会えなかったが、公爵家から説明を聞いた時はオオバッカを殺しに行こうと思った。
稀に貴族冒険者は存在しているが、基本的に冒険者やギルドはあまり関わろうとしない。それが今回の事件がきっかけで冒険者ギルドが貴族関係なく取り締まることになった。
なぜか王族からの圧力が冒険者ギルドにかかった。今までそんなことはなかったのに、リックが何かを変えたのだろう。
さすが俺の愛しのリックだ。
「あっ、また違うところに行くぞ!」
「バウッ!」
俺はリックが違う森に入らないように動物の鳴きマネをする。
「あっ、あっちにもふもふがいるのかな!」
そう言ってリックは軌道修正して森に向かっていく。迷子になりやすいのは知っていたが、いつも本能に従って動いているから目が離せない。
今日俺達がリックの後を追っているのも公爵様に頼まれた依頼だ。
公爵様はとてもリックとマリアを気に入っていた。だから、依頼した瞬間に俺達は同志となった。
今度はリックの寝顔を魔道具で撮った紙をくれるらしい。
それが貰えたら護衛費なんていらない。
ああ、今日も愛しいリックは楽しそうに違う森に入っていく。