あれからマリアにタマを紹介すると、不思議そうな顔でタマを見ていた。猫はマリアも見たことあるが、こんなに小さな猫は見たことないらしい。
全員が王都の準備ができたことで出発することになった。
「本当に大丈夫?」
「私も少し元気になったからこれぐらい持てるよ」
マリアが僕と同じぐらいの大きさの鞄を背負っているため、つい心配になってしまう。僕が代わりに持とうとするが、頑なに拒否される。
ハンカチーフを作るのに、必要な物ばかり入っているため、自分で持ちたいらしい。
モススもマリアと同じ意見なのか、僕が運ぼうとするたびに髪の毛を引っ張っていた。
玄関に行くとすでに大人達は待っていた。
「馬車の準備はできているぞ」
あれ?
馬車の準備ってどういうことだろうか。
この街に来た時は乗り合い馬車に乗ってここまで来た。王都まで行くのも乗り合い馬車だと思っていたが、どうやら違うらしい。
目の前には小さな馬車が用意されていた。側面にはもふもふした何かが剣を持っている絵が描かれている。
街の人達はなぜか遠巻きに馬車を見ている。
「あのー、これって?」
「ああ、家紋が入った馬車だな」
どうやらオーブナーの馬車で王都まで行くらしい。貴族の馬車には、貴族の家紋が描かれている馬車を持っている。
それが貴族である身分を表しているらしい。
それにしても馬車なのに馬がいないのはなんでだろうか。
馬をもふもふとしてみたかったが、この後馬が来るのだろうか。
案内されるがまま馬車の中に入ると、その光景に驚きもう一度僕は外に出た。
「中に家がありますよ!」
「ははは、やっぱり驚いているな」
馬車の中には部屋がいくつもあり、小さな宿屋のようになっていた。
魔法を使えば建物の大きさや鞄の容量も変えることができるらしい。
「その鞄があればお兄ちゃんにバレずに運べ――」
「マリアどうしたの?」
「ん? 何もないよ」
マリアも何か考えていたようだ。
いつか僕も鞄を拡張して、ガチャテイムした家族を持ち運べるようにしたら毎日が楽しいだろう。
頭にはモスス、胸ポケットにはタマがいる。今後家族が増えたら、僕の体にも乗せきれないないだろう。
「驚くのはそれだけじゃないぞ?」
「へっ?」
突然馬車が大きく揺れると、外の景色が変わってきた。
あれ……?
浮いている?
「ははは、これは馬車型の魔道具だからな」
初めて聞く言葉に僕達は首を傾げる。魔法を付与した道具はただの道具。
魔石という高位の魔物から出てくる石に、魔法を付与することで作る道具を魔道具と呼んでいるらしい。
要は魔石を使用する道具を魔道具と呼ぶ。
馬がいなかったのも空を飛んで移動するからだ。それに空を飛ぶ魔物を馬車に取り付けることで、魔石の消費が少なく空と陸も移動できるようになるらしい。
空を飛んで速く走れる魔物と言ったらドラゴンだろう。
いつかドラゴンに馬車を引っ張ってもらいたいな。
いや、ドラゴンが引っ張るなら馬車じゃなくて、竜車になるだろうか。
考えただけでもニヤニヤしてしまう。
僕が外を眺めながら考えごとをしていると、モススが髪の毛を引っ張っていた。きっと自分が馬車を引っ張っている感覚になっているのだろう。
ああ、これじゃあまるでモスス車だな。
僕が馬車の中で駆け回ると、モススは楽しそうに羽をバタバタとしていた。
僕達はお尻も痛くない馬車で数日空の旅を楽しむことになった。
全員が王都の準備ができたことで出発することになった。
「本当に大丈夫?」
「私も少し元気になったからこれぐらい持てるよ」
マリアが僕と同じぐらいの大きさの鞄を背負っているため、つい心配になってしまう。僕が代わりに持とうとするが、頑なに拒否される。
ハンカチーフを作るのに、必要な物ばかり入っているため、自分で持ちたいらしい。
モススもマリアと同じ意見なのか、僕が運ぼうとするたびに髪の毛を引っ張っていた。
玄関に行くとすでに大人達は待っていた。
「馬車の準備はできているぞ」
あれ?
馬車の準備ってどういうことだろうか。
この街に来た時は乗り合い馬車に乗ってここまで来た。王都まで行くのも乗り合い馬車だと思っていたが、どうやら違うらしい。
目の前には小さな馬車が用意されていた。側面にはもふもふした何かが剣を持っている絵が描かれている。
街の人達はなぜか遠巻きに馬車を見ている。
「あのー、これって?」
「ああ、家紋が入った馬車だな」
どうやらオーブナーの馬車で王都まで行くらしい。貴族の馬車には、貴族の家紋が描かれている馬車を持っている。
それが貴族である身分を表しているらしい。
それにしても馬車なのに馬がいないのはなんでだろうか。
馬をもふもふとしてみたかったが、この後馬が来るのだろうか。
案内されるがまま馬車の中に入ると、その光景に驚きもう一度僕は外に出た。
「中に家がありますよ!」
「ははは、やっぱり驚いているな」
馬車の中には部屋がいくつもあり、小さな宿屋のようになっていた。
魔法を使えば建物の大きさや鞄の容量も変えることができるらしい。
「その鞄があればお兄ちゃんにバレずに運べ――」
「マリアどうしたの?」
「ん? 何もないよ」
マリアも何か考えていたようだ。
いつか僕も鞄を拡張して、ガチャテイムした家族を持ち運べるようにしたら毎日が楽しいだろう。
頭にはモスス、胸ポケットにはタマがいる。今後家族が増えたら、僕の体にも乗せきれないないだろう。
「驚くのはそれだけじゃないぞ?」
「へっ?」
突然馬車が大きく揺れると、外の景色が変わってきた。
あれ……?
浮いている?
「ははは、これは馬車型の魔道具だからな」
初めて聞く言葉に僕達は首を傾げる。魔法を付与した道具はただの道具。
魔石という高位の魔物から出てくる石に、魔法を付与することで作る道具を魔道具と呼んでいるらしい。
要は魔石を使用する道具を魔道具と呼ぶ。
馬がいなかったのも空を飛んで移動するからだ。それに空を飛ぶ魔物を馬車に取り付けることで、魔石の消費が少なく空と陸も移動できるようになるらしい。
空を飛んで速く走れる魔物と言ったらドラゴンだろう。
いつかドラゴンに馬車を引っ張ってもらいたいな。
いや、ドラゴンが引っ張るなら馬車じゃなくて、竜車になるだろうか。
考えただけでもニヤニヤしてしまう。
僕が外を眺めながら考えごとをしていると、モススが髪の毛を引っ張っていた。きっと自分が馬車を引っ張っている感覚になっているのだろう。
ああ、これじゃあまるでモスス車だな。
僕が馬車の中で駆け回ると、モススは楽しそうに羽をバタバタとしていた。
僕達はお尻も痛くない馬車で数日空の旅を楽しむことになった。