初めての川遊び……いや、ポーターパーティーの依頼は成功に終わった。その後メジストに渡したマンドラゴラは、見たこともないほど状態が良いと言っていた。
孫達だから優しく言っているのかと思ったら、本当に質が良いらしい。
そもそもマンドラゴラは抜いた瞬間に叫ぶため、細かく刻まれて持ってくるのが一般的だ。
引っこ抜かれた瞬間に刻まれるとは、不運なマンドラゴラ達。
歌っている時に討伐されるのも、そこまで変わらないか……。
ちなみにマンドラゴラはスキル玉を作るために必要な材料になる。そのため質の良いマンドラゴラは高く売ることができた。
ちゃんとお金は三等分にして、ロンとニアにも渡したが、本人達の意思で必要な分以外は俺が預かることとなった。
「あっ、忘れ物をした」
俺達は初依頼を終えて宿屋に帰ろうと歩いていたら、ロンが忘れ物をしたと言ってきた。
「一緒に取りに行こうか?」
「大丈夫! ニアと行ってくる」
「えっ? 私?」
若干強制的にニアは引っ張られる形でメジストの錬金術店に戻って行く。
一人になった俺はせっかくの初依頼の記念に、二人へプレゼントを用意することにした。
「んー、プレゼントって何がいい……あっ、ルースさーん!」
俺が悩んでいると買い物途中なのか、宿屋で働く女性のルースさんがいた。彼女は初めて子供達を連れてきた時も、頼りになる近所のお姉さんみたいな存在だった。
ただ、ロビンといる時はどこか視線が厳しくなる今も謎めいている人でもある。
「ウォーくんどうしたの?」
「プレゼントを買おうかと思いまして」
俺はちょっと恥ずかしさもあり照れると、ルースさんは握り拳を作っていた。
「プププ……推し同士がついにくっつ――」
「何が良いと思いますか?」
俺は単純に気になって聞いてみることにした。
「向こうならネクタイとか日用品がいいだろうけど何が……」
彼女はぶつぶつと独り言を呟いている。
「ネクタイってなんですか?」
「ああ、それは気にしなくてもいいわ! 成人男性が喜ぶものよね? ふふふ、もうウォーレンくんでいいんじゃないかしら?」
彼女は何を想像しているのだろうか。プレゼントを男性にあげる予定は全くない。
「成人男性ですか? あげるのはロンとニアですよ?」
俺の言葉にハッとした表情をしている。何か勘違いしていたようだ。
ロンとニアに渡すと伝えると、彼女は少し落ち込んでいた。
「ロンとニアにあげるなら子供らしく光った物とかはどうかしら?」
「ああ、ならブローチとか良いかもしれないですね。ありがとうございます」
彼女にお礼を伝えると、再び何かぶつぶつと呟いていた。
イケオジと年下攻めも捨てがたいとはなんのことだろうか。
変わった彼女に挨拶をして、僕はブローチを買いに行った。
見つけたのはみんなとお揃いでつけられるブローチだ。パーティーメンバーの証にもなりそうなブローチを買って、宿屋に戻ると既にロアとニアは帰って来ていた。
「お兄ちゃんどこに行っていたの?」
「ああ、少し買い物に行ってたよ」
「にいちゃ! にいちゃ!」
二人はウキウキしているような印象だった。そんなにご飯が待ち遠しいのだろうか。
最近よく食べるようになって、少しずつ大きくなって成長が楽しみだ。
俺達はしばらくゆっくり過ごすと、食事の準備ができたと呼ばれ食堂に向かった。そこには普段よりも豪華な食事が置いてあった。
「今日はあんた達の初依頼だろ? 少し豪華にしておいたわよ」
なんと宿屋の店主は僕達を祝うために、普段よりも豪華な食事を用意していた。
「ちょ、ロンよだれが垂れてきてるよ」
ロンは待ち切れないのか口元からよだれが垂れている。二人とも耳と尻尾が立って今にも食べたい様子だ。
先に挨拶の祈りをして食べることにした。やはり二人は初めての依頼でお腹が空いていたのか、食べる速度が異常に早かった。
飲み込む勢いで食べていたため、詰まらないか心配だ。
「あっ、そういえば二人にプレゼントがあるんだ」
俺はポケットからブローチを取り出す。値段もお手頃だが、キラキラと光るブローチに二人の視線は釘付けだ。
「せっかくだからみんなでお揃いの物をつけても良いかと思ってね?」
俺は自分の胸元に付いているブローチを二人に見せると大喜びをしていた。
二人の胸元につけるとお互いに自慢しあっている。これだけ喜んでくれたら買ったかいがあるもんだ。
「実はオラ達からもプレゼントがあるんだ!」
二人の言葉に何を言っているのか分からず、頭が追いついていない。
「オラとニアからのプレゼント」
俺は言われた通りに手を出すと、そこには風属性魔法が入ったスキル玉が置かれていた。
「おい、これって宝物じゃ――」
「今日じいじに頼んで買ってきた」
「前じいじからもらった時にお兄ちゃんだけ貰えなくて悲しそうな顔をしていたからさ」
どうやらこの間のことを言っているらしい。単純にスキル玉は使えていいなとは思ったが、顔に出ていたようだ。
「ロン、ニアありがとう」
俺はロンとニアを抱き締めた。ロンはどこか照れくさそうにしているが耳と尻尾は伸ばし、ニアは撫でて欲しいのか頭を突き出していた。
孫達だから優しく言っているのかと思ったら、本当に質が良いらしい。
そもそもマンドラゴラは抜いた瞬間に叫ぶため、細かく刻まれて持ってくるのが一般的だ。
引っこ抜かれた瞬間に刻まれるとは、不運なマンドラゴラ達。
歌っている時に討伐されるのも、そこまで変わらないか……。
ちなみにマンドラゴラはスキル玉を作るために必要な材料になる。そのため質の良いマンドラゴラは高く売ることができた。
ちゃんとお金は三等分にして、ロンとニアにも渡したが、本人達の意思で必要な分以外は俺が預かることとなった。
「あっ、忘れ物をした」
俺達は初依頼を終えて宿屋に帰ろうと歩いていたら、ロンが忘れ物をしたと言ってきた。
「一緒に取りに行こうか?」
「大丈夫! ニアと行ってくる」
「えっ? 私?」
若干強制的にニアは引っ張られる形でメジストの錬金術店に戻って行く。
一人になった俺はせっかくの初依頼の記念に、二人へプレゼントを用意することにした。
「んー、プレゼントって何がいい……あっ、ルースさーん!」
俺が悩んでいると買い物途中なのか、宿屋で働く女性のルースさんがいた。彼女は初めて子供達を連れてきた時も、頼りになる近所のお姉さんみたいな存在だった。
ただ、ロビンといる時はどこか視線が厳しくなる今も謎めいている人でもある。
「ウォーくんどうしたの?」
「プレゼントを買おうかと思いまして」
俺はちょっと恥ずかしさもあり照れると、ルースさんは握り拳を作っていた。
「プププ……推し同士がついにくっつ――」
「何が良いと思いますか?」
俺は単純に気になって聞いてみることにした。
「向こうならネクタイとか日用品がいいだろうけど何が……」
彼女はぶつぶつと独り言を呟いている。
「ネクタイってなんですか?」
「ああ、それは気にしなくてもいいわ! 成人男性が喜ぶものよね? ふふふ、もうウォーレンくんでいいんじゃないかしら?」
彼女は何を想像しているのだろうか。プレゼントを男性にあげる予定は全くない。
「成人男性ですか? あげるのはロンとニアですよ?」
俺の言葉にハッとした表情をしている。何か勘違いしていたようだ。
ロンとニアに渡すと伝えると、彼女は少し落ち込んでいた。
「ロンとニアにあげるなら子供らしく光った物とかはどうかしら?」
「ああ、ならブローチとか良いかもしれないですね。ありがとうございます」
彼女にお礼を伝えると、再び何かぶつぶつと呟いていた。
イケオジと年下攻めも捨てがたいとはなんのことだろうか。
変わった彼女に挨拶をして、僕はブローチを買いに行った。
見つけたのはみんなとお揃いでつけられるブローチだ。パーティーメンバーの証にもなりそうなブローチを買って、宿屋に戻ると既にロアとニアは帰って来ていた。
「お兄ちゃんどこに行っていたの?」
「ああ、少し買い物に行ってたよ」
「にいちゃ! にいちゃ!」
二人はウキウキしているような印象だった。そんなにご飯が待ち遠しいのだろうか。
最近よく食べるようになって、少しずつ大きくなって成長が楽しみだ。
俺達はしばらくゆっくり過ごすと、食事の準備ができたと呼ばれ食堂に向かった。そこには普段よりも豪華な食事が置いてあった。
「今日はあんた達の初依頼だろ? 少し豪華にしておいたわよ」
なんと宿屋の店主は僕達を祝うために、普段よりも豪華な食事を用意していた。
「ちょ、ロンよだれが垂れてきてるよ」
ロンは待ち切れないのか口元からよだれが垂れている。二人とも耳と尻尾が立って今にも食べたい様子だ。
先に挨拶の祈りをして食べることにした。やはり二人は初めての依頼でお腹が空いていたのか、食べる速度が異常に早かった。
飲み込む勢いで食べていたため、詰まらないか心配だ。
「あっ、そういえば二人にプレゼントがあるんだ」
俺はポケットからブローチを取り出す。値段もお手頃だが、キラキラと光るブローチに二人の視線は釘付けだ。
「せっかくだからみんなでお揃いの物をつけても良いかと思ってね?」
俺は自分の胸元に付いているブローチを二人に見せると大喜びをしていた。
二人の胸元につけるとお互いに自慢しあっている。これだけ喜んでくれたら買ったかいがあるもんだ。
「実はオラ達からもプレゼントがあるんだ!」
二人の言葉に何を言っているのか分からず、頭が追いついていない。
「オラとニアからのプレゼント」
俺は言われた通りに手を出すと、そこには風属性魔法が入ったスキル玉が置かれていた。
「おい、これって宝物じゃ――」
「今日じいじに頼んで買ってきた」
「前じいじからもらった時にお兄ちゃんだけ貰えなくて悲しそうな顔をしていたからさ」
どうやらこの間のことを言っているらしい。単純にスキル玉は使えていいなとは思ったが、顔に出ていたようだ。
「ロン、ニアありがとう」
俺はロンとニアを抱き締めた。ロンはどこか照れくさそうにしているが耳と尻尾は伸ばし、ニアは撫でて欲しいのか頭を突き出していた。