======== この物語はあくまでもフィクションです =========
============== 主な登場人物 ================
大文字伝子(だいもんじでんこ)・・・主人公。翻訳家。DDリーダー。EITOではアンバサダーまたは行動隊長と呼ばれている。。
大文字[高遠]学・・・伝子の、大学翻訳部の3年後輩。伝子の婿養子。小説家。EITOのアナザー・インテリジェンスと呼ばれている。
斉藤長一朗理事官・・・EITO司令官。EITO創設者。
夏目房之助警視正・・・EITO東京本部副司令官。
新庄珠恵・・・元結城たまき警部。警視庁捜査一課からの出向だったが、EITOに就職。新姓と共に改名した。
新庄猛士・・・ホルン奏者。結城の見合い相手。
山村美佐男・・・みゆき出版編集長。
大文字綾子・・・伝子の母。介護士。
藤井康子・・・伝子マンションの区切り隣に住む。元料理教室経営者。
物部一朗太・・・伝子の大学翻訳部時代の仲間。伝子と親友モードで接している。モールで喫茶店アテロゴを経営している。
=================================================
==EITOとは、Emergency Information Against Terrorism Organizationを指す==
==エマージェンシーガールズとは、女性だけのEITO本部の精鋭部隊である。==
午後3時。伝子のマンション。
EITO用のPCが起動し、伝子と高遠、綾子と藤井が前に座った。
画面には、夏目警視正が映っている。
「昨日は、ご苦労様でした。偶然が敵に味方したのか、君たちに味方したのか。面白いと言うと不謹慎かな。時系列で行こう。」
夏目の言葉に、綾子と藤井は座り直した
「まず、敵のリーダーと思しき青年は、実は、『那珂国語』の出来る通訳だった。新川良二と言う。新川は、依田君が結城君に紹介したホテルでベッドメイキングのバイトをしていて、芸能人のカップルが泊まることが多いホテルなので、盗聴器を仕掛けていた。そして、偶然『えいと』と言うワードと『ゆうき』というワードを耳にしていた。闇バイトで通訳のバイトを募集していて、即採用、前報酬が支払われた。その時、パラ・リヴァイアサンの『枝』である、リーにワードを話した。そして、7月25日。午前1時。Base Bookにパラ・リヴァイアサンから、挑戦状が届いた。内容はいいよね。高遠君は、早朝からアナグラムの解析を始めた。午前9時。EITO東京本部での会議室で、高遠君の解析と草薙の検索で、バトルは7月27日の、長野県信濃町の『どろんこフェス』に関係あるのではないか、ということになった。」
「結城は、自分が行くと言い出しましたが、バトルが現地であるとも思えないし、『ゆうき』だけでは、敵がどこまでこちらの事情を知っているか分かりませんでした。東京にも信濃町があります。バトルの場所は、そちらの可能性が強かった。何らかの陽動ではないか、と考え、急遽退職した、あかりに『替え玉』を依頼しました。幸い、姑の民恵さんはEITOに協力的だったので、あかりと民恵さんに任せることにしました。」
「うむ。2人が長野に行っている間に、新川は予定通り、大学で行われた握手会に参加した。新川は、信濃町駅で、新庄さんと出逢い、握手会に向かった。服部コウさんのメールを呼んでいなかった新庄さんは、握手会の後、ゆっくりと民音博物館に行く予定だった。握手会が終わり、一緒に握手会に参加していた友人2人と新庄さんを送った新川は、リーに見つかり、叱責された。リーの部下がやってきたので、友人2人越野と三井は逃げ出した。新庄さんを監禁したのは、リーの部下だった。新里警視によると、夏目リサーチの『面割り』で身元が分かった2人は素直に話したそうだ。長野県信濃町に行ってメッセージを受け取った、新町元隊員と民恵さんは、民音博物館の様子がおかしいと感じ、新庄さんを見付け、救出した。リーの機転で『人質』になっていた新庄さんは、リモコンで爆発されるかも知れなかった。今、本当の『枝』のリーを新里警視が調べている。自動翻訳器を使って。」
「長野県にも信濃町があるって知らなかったわ。」と、綾子が言った。
「お義母さん、他の地方にもあるかも知れませんよ。」と、高遠が窘めた。
「高遠君が、民音博物館も関係しているかも知れない、と言ったので、新町元隊員と民恵さんを行かせたのは正解だった。民恵さんは、昔、鑑識課員だったんだ。それで、爆発物をすぐに解体した。息子に会うのが恥ずかしい、と言って、すぐに帰ったそうだが、慶應義塾大学信濃町キャンパスで午後5時に始まったバトルは午後7時には終った。結城隊員と新庄さんは、無事再会した。遅くなったが、隊員達を本部に引き揚げさせたのは、結城隊員の改名披露だった。新庄さんは、リスボンに演奏旅行に行く予定だったが、理事官の裁量で、新婚旅行として、休みを取らせた。改名措置は、大文字君のアイディアだったが、副総監も御池都知事も賛成してくれ、パスポートも用意出来た。もうリスボンに着いているだろう。結婚式は、2人が帰ってからのお楽しみだ。」
「例の、逃げ出した2人は、拉致したんじゃなかったんですね。」と、高遠は言った。
「ああ。暴走族に一時入っていたことはあるが、今は更生しているようだ。中津興信所にも夏目リサーチにも、捜査を急がせた甲斐があったよ。」
「コウの話では、新庄さんは有名な演奏家だが、どこか浮世離れしているところがあるそうです。スマホの使い方もよく分からなくて、メールの着信に気づかなかった。」
伝子は笑いながら言った。
「理事官は、明日まで夏休みだ、ゆっくりしてくれ。『所帯持ち』は訓練に出るな、とメールしておいた。それでは。」
ディスプレイから、夏目警視正の姿が消えた。
「聞いてたか、物部。」と、Linenに繋いだままの物部に伝子は尋ねた。
「大変だったな。俺から皆に、かいつまんでメッセージを送っておくよ。」
「頼む。」
伝子がスマホんほ電源を切ると、「今時、スマホ使えないなんて、ねえ。」と綾子が言うと、「それは、新妻に任せればいいんじゃない?今日、わらび餅、作ろうと思っているんだけど、賛成の人!!」
「はーい。」と、4人が応えた。4人?山村編集長だった。
「じゃ、お土産の『ところてん』は明日以降ね、高遠ちゃん。」
「はいはい。」高遠は、ところてんを受け取ると、冷蔵庫にしまった。
「かあさん、今夜、おさむに会いに行くけど、つきあう?」
「オブ・コース!!」
皆は談笑しながら、わらび餅の準備にかかった。
―完―
============== 主な登場人物 ================
大文字伝子(だいもんじでんこ)・・・主人公。翻訳家。DDリーダー。EITOではアンバサダーまたは行動隊長と呼ばれている。。
大文字[高遠]学・・・伝子の、大学翻訳部の3年後輩。伝子の婿養子。小説家。EITOのアナザー・インテリジェンスと呼ばれている。
斉藤長一朗理事官・・・EITO司令官。EITO創設者。
夏目房之助警視正・・・EITO東京本部副司令官。
新庄珠恵・・・元結城たまき警部。警視庁捜査一課からの出向だったが、EITOに就職。新姓と共に改名した。
新庄猛士・・・ホルン奏者。結城の見合い相手。
山村美佐男・・・みゆき出版編集長。
大文字綾子・・・伝子の母。介護士。
藤井康子・・・伝子マンションの区切り隣に住む。元料理教室経営者。
物部一朗太・・・伝子の大学翻訳部時代の仲間。伝子と親友モードで接している。モールで喫茶店アテロゴを経営している。
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==EITOとは、Emergency Information Against Terrorism Organizationを指す==
==エマージェンシーガールズとは、女性だけのEITO本部の精鋭部隊である。==
午後3時。伝子のマンション。
EITO用のPCが起動し、伝子と高遠、綾子と藤井が前に座った。
画面には、夏目警視正が映っている。
「昨日は、ご苦労様でした。偶然が敵に味方したのか、君たちに味方したのか。面白いと言うと不謹慎かな。時系列で行こう。」
夏目の言葉に、綾子と藤井は座り直した
「まず、敵のリーダーと思しき青年は、実は、『那珂国語』の出来る通訳だった。新川良二と言う。新川は、依田君が結城君に紹介したホテルでベッドメイキングのバイトをしていて、芸能人のカップルが泊まることが多いホテルなので、盗聴器を仕掛けていた。そして、偶然『えいと』と言うワードと『ゆうき』というワードを耳にしていた。闇バイトで通訳のバイトを募集していて、即採用、前報酬が支払われた。その時、パラ・リヴァイアサンの『枝』である、リーにワードを話した。そして、7月25日。午前1時。Base Bookにパラ・リヴァイアサンから、挑戦状が届いた。内容はいいよね。高遠君は、早朝からアナグラムの解析を始めた。午前9時。EITO東京本部での会議室で、高遠君の解析と草薙の検索で、バトルは7月27日の、長野県信濃町の『どろんこフェス』に関係あるのではないか、ということになった。」
「結城は、自分が行くと言い出しましたが、バトルが現地であるとも思えないし、『ゆうき』だけでは、敵がどこまでこちらの事情を知っているか分かりませんでした。東京にも信濃町があります。バトルの場所は、そちらの可能性が強かった。何らかの陽動ではないか、と考え、急遽退職した、あかりに『替え玉』を依頼しました。幸い、姑の民恵さんはEITOに協力的だったので、あかりと民恵さんに任せることにしました。」
「うむ。2人が長野に行っている間に、新川は予定通り、大学で行われた握手会に参加した。新川は、信濃町駅で、新庄さんと出逢い、握手会に向かった。服部コウさんのメールを呼んでいなかった新庄さんは、握手会の後、ゆっくりと民音博物館に行く予定だった。握手会が終わり、一緒に握手会に参加していた友人2人と新庄さんを送った新川は、リーに見つかり、叱責された。リーの部下がやってきたので、友人2人越野と三井は逃げ出した。新庄さんを監禁したのは、リーの部下だった。新里警視によると、夏目リサーチの『面割り』で身元が分かった2人は素直に話したそうだ。長野県信濃町に行ってメッセージを受け取った、新町元隊員と民恵さんは、民音博物館の様子がおかしいと感じ、新庄さんを見付け、救出した。リーの機転で『人質』になっていた新庄さんは、リモコンで爆発されるかも知れなかった。今、本当の『枝』のリーを新里警視が調べている。自動翻訳器を使って。」
「長野県にも信濃町があるって知らなかったわ。」と、綾子が言った。
「お義母さん、他の地方にもあるかも知れませんよ。」と、高遠が窘めた。
「高遠君が、民音博物館も関係しているかも知れない、と言ったので、新町元隊員と民恵さんを行かせたのは正解だった。民恵さんは、昔、鑑識課員だったんだ。それで、爆発物をすぐに解体した。息子に会うのが恥ずかしい、と言って、すぐに帰ったそうだが、慶應義塾大学信濃町キャンパスで午後5時に始まったバトルは午後7時には終った。結城隊員と新庄さんは、無事再会した。遅くなったが、隊員達を本部に引き揚げさせたのは、結城隊員の改名披露だった。新庄さんは、リスボンに演奏旅行に行く予定だったが、理事官の裁量で、新婚旅行として、休みを取らせた。改名措置は、大文字君のアイディアだったが、副総監も御池都知事も賛成してくれ、パスポートも用意出来た。もうリスボンに着いているだろう。結婚式は、2人が帰ってからのお楽しみだ。」
「例の、逃げ出した2人は、拉致したんじゃなかったんですね。」と、高遠は言った。
「ああ。暴走族に一時入っていたことはあるが、今は更生しているようだ。中津興信所にも夏目リサーチにも、捜査を急がせた甲斐があったよ。」
「コウの話では、新庄さんは有名な演奏家だが、どこか浮世離れしているところがあるそうです。スマホの使い方もよく分からなくて、メールの着信に気づかなかった。」
伝子は笑いながら言った。
「理事官は、明日まで夏休みだ、ゆっくりしてくれ。『所帯持ち』は訓練に出るな、とメールしておいた。それでは。」
ディスプレイから、夏目警視正の姿が消えた。
「聞いてたか、物部。」と、Linenに繋いだままの物部に伝子は尋ねた。
「大変だったな。俺から皆に、かいつまんでメッセージを送っておくよ。」
「頼む。」
伝子がスマホんほ電源を切ると、「今時、スマホ使えないなんて、ねえ。」と綾子が言うと、「それは、新妻に任せればいいんじゃない?今日、わらび餅、作ろうと思っているんだけど、賛成の人!!」
「はーい。」と、4人が応えた。4人?山村編集長だった。
「じゃ、お土産の『ところてん』は明日以降ね、高遠ちゃん。」
「はいはい。」高遠は、ところてんを受け取ると、冷蔵庫にしまった。
「かあさん、今夜、おさむに会いに行くけど、つきあう?」
「オブ・コース!!」
皆は談笑しながら、わらび餅の準備にかかった。
―完―

