ラフィーアを助けるためには解毒剤の口移しが必要だった。
だが、ラフィーアには男嫌いの側面があった。
「男の人と接吻するくらいなら、死にます!」
いったんはラフィーアに拒絶されるシリウス。
諦めようとするシリウスに、子犬サイズになったグラネスが近寄り、シリウスはやさしく抱き上げる。
子犬サイズのグラネスをやさしく撫でる姿にラフィーアの心は揺らぐ。
(この人は他の男性とは違う……?)
ラフィーアは仕方無しに口づけを受け入れるが、実は定期的に解毒剤を飲む必要があった。
「そ、そんなの聞いてません!」
口では拒絶しつつも、ラフィーアには今までに感じたことのない感情が生まれていた。

※サブストーリーとして、シリウス、グラネス、ラフィーアの三者は幼少の頃に出会っている。
シリウスは孤児院で育ち、慰問のために訪れていた七歳のラフィーアと出会う。
機転を利かして護衛の目を盗み、森で小動物たちと遊んでいた二人。子犬サイズのグラネスもいたが、強大な力が暴走して火事を起こし、グラネスも火傷を負う。
賢明に介護するラフィーアと回復魔法をかけるシリウス。
女神アレスフィアはグラネスの力を封印し、未来を予見していた女神がシリウスに強大な力を与えていた。

本筋に戻り、ラフィーアが冒された毒霧を完全に回復するためには女神アレスフィアの助けを借りる必要があった。
女神アレスフィアを探して三人は旅をすることに。
グラネスは子犬のような姿でシリウスに懐いている。
シリウスとグラネスはいつもじゃれていた。
それを見ながら、ラフィーアはだんだん自分もシリウスとの距離を縮めたいと思っていく。

いっしょに旅をするうちに、ラフィーアは次第にシリウスに心を開いていく。
時にはぶりっ子のように「解毒剤がうまく飲めなくて。できたら練習をしたいのですが」と言ってシリウスを困らせることも。
理由をつけてキスをせがむラフィーア。しかし、グラネスはいつもシリウスにべったりで、なかなか隙がなかった。

シリウスはいつもグラネスをやさしく撫でており、ラフィーアの嫉妬は止まらないのだった。
「不潔ですよ! 男の人と女の人がそんなことを……」
「いや、グラネスは聖獣だから」

グラネスが大人の女性の姿でシリウスに抱きつくことも。
「離れなさい! いやらしいです!」
引き剥がそうとするラフィーア。
こうして三人の旅は続いていく。

※展開のパターンとしては、
グラネスをもふもふするシリウス。それを横で見て嫉妬するラフィーア。
グラネスは思いっきりシリウスに甘えるが、ラフィーアは理由をつけてなんとかシリウスに可愛がってもらうようにしていく。
シリウスにベタベタのグラネスと、甘えたくても甘えられないラフィーアの三角関係で話を進めていく。
シリウスを無能だと評価したパーティをぎゃふんと言わせたり、子犬の姿をしたグラネスが強大な力で敵を倒したり、民を虐げる貴族にラフィーアが王女としての素性を明かして懲らしめたり、等の展開を入れる。無詠唱&即時回復の能力を使って、さもラフィーアが回復魔法をかけたかのような演出を入れたりもする。

※ラストは、三人が女神アレスフィアと出会い、ラフィーアの身体から毒霧を抜いてくれる。
ところがラフィーアは心臓の鼓動が激しく、まだ治っていないと主張する。
女神は「そうですね、一生治らない病なのかもしれません」と言って去っていく。

心配そうなシリウスに、「これからも、お願いしますね」と言い、抱きついてキスをする。
抱きしめられたため、シリウスにラフィーアの鼓動が伝わってくる。
余計に酷くなっていないか?と思うシリウス。

グラネスは「治ってないだって? ふうん、人間の女は嘘つきだねえ」とラフィーアにだけ聞こえるようにつぶやく。
ラフィーアは唇に人差し指を当て、「内緒」という仕草をグラネスに向けて、物語は終わる。