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短編とは思えないほどの密度と輝きをもった秀逸な物語です。 環境に問題を抱え、夜を彷徨う理沙と、体質ゆえに夜にしか出歩けない朝。 うそつきと化け物が紡ぐ物語は、さながら大胆かつ壮大なグラフィティに魅了されるがごとく、読者を惹きつけます。 中盤以降の周囲との摩擦や迷い、その中でも自分を理解してくれる先生とのやり取り、友達との確執に、挫折から立ち直ろうと足掻く理沙の姿、朝との別れと再会……。見所を挙げればきりがありません。 真夜中の嘘から始まる、読んで損はしない勇気をもらえる傑作でした。