私達、孤児九人は獣道をひたすら歩いていた。
 私は斬られて肘から先が無くなった右腕の痛みに耐えながら、怪我から溢れる熱に耐えながら、それでも必死に皆と一緒に歩いた。

 私達の大切なモノを壊した、全部奪ったあいつから、逃げるために。

 悲しい。
 苦しい。
 悔しい。
 あいつがしたことを考えただけで、涙が溢れそうになって来る。

 それでも守るために逃げなきゃいけないんだ。
 私は――約束したんだから。

 エミリー先生と約束したんだから。