【2・冒頭部分のプロット】

〇1話
 アレンは冒険者養成機関に通っていた頃から同級生のヒューゴにいじめられていた。いじめは卒業後も続き、アレンはヒューゴ率いる冒険者パーティーに入れられて、酷い扱いを受ける日々を送っていた。
 ある日、アレンは「お前のスキル【跳躍】は使えないからパーティーから追放する」とヒューゴに言われる。
 彼はアレンのスキルの真骨頂――時を操る【時間跳躍】を知らない。この世界では「時を操る王が名乗りをあげたとき、世に災厄をもたらす」という伝説があるため、アレンは今まで陰でパーティーを支えながらも、時間跳躍ができることは隠していたのだ。
 アレンはやむを得ず、ヒューゴに時間跳躍スキルについて説明する。しかし、信じてもらえず、理不尽に追放された。
 職を失い、路頭に迷うアレンは、虐げられてきた自身の人生を悔やむ。青春時代からやり直したいと思い、生まれて初めて時間跳躍スキルを使った。
 気づけばアレンは制服姿で学園にいた。過去にタイムリープしたのだ。

〇2話
 アレンは十六歳の自分にタイムリープしたことを理解すると同時に、自分のスキルの真の力に驚く。
 タイムリープ以外にも、まだ【跳躍】スキルの使い道があるかもしれない。そう考えながら学園の敷地内を歩いていると、幼馴染のルーシーが脚立から落ちる場面に遭遇する。
 アレンはぶっつけ本番で【時間跳躍】を発動し、自分に流れる時を進め一気に加速。間一髪のところでルーシーをお姫さま抱っこでキャッチする。ルーシーは普段と違い、かっこよくて大人っぽいアレンにドキドキする。その一方で、アレンの異常な俊敏さに疑問を持つが、スキルのことは秘密なので、アレンは適当に誤魔化す。
 そこにヒューゴが登場し、アレンに絡んでくる。
 アレンは「虐げられる人生はこりごりだ。二度目の人生は楽しもう」と心に決め、ヒューゴに歯向かう。頭に血が上ったヒューゴは喧嘩腰になり、一触即発ムードに。放課後、ヒューゴと決闘することになる。

〇3話
 放課後、アレンとヒューゴは模擬戦を行うために闘技場へとやってきた。ギャラリーが集まると、アレンを馬鹿にする声、ヒューゴを応援する声がそれぞれ飛び交う。
 多くのギャラリーが見守る中、戦いが始まる。
 ヒューゴは【発電】スキルを発動し、放電して攻撃する。アレンは時を進めて加速し、これをなんなくかわす。焦ったヒューゴはムキになって放電するが、攻撃は当たらない。
 次にヒューゴは接近戦を仕掛ける。アレンはヒューゴの時を減速させることに成功。ヒューゴが繰り出した「のろのろ攻撃」を見たギャラリーからは失笑の声が漏れる。
 アレンはヒューゴの背後に回り、通常の【跳躍】スキル――対象を跳ばす能力を発動。ヒューゴを場外へと吹き飛ばし、勝利となる。
 瞬間、場内が沸く。アレンに対する周囲の評価は一気に上がり、逆にヒューゴの評価は下がるのだった。