君という夢を描いて

 種類が多すぎる。

 完全にナメていた。こんなに豊富なデザインから一つを得られと言われても、選びきれない。

 世の男性は、どうやって選んでいるのだろう。

 やっぱり、サプライズなんてややこしいことせずに単刀直入に好みを聞いてからのほうが確実か。


「……」

 早くも挫折しそうだ。

 でも、サプライズは一度はやってみたい。

 たとえスベっても。


 いや、梨歩のことだからきっと笑って受け取ってくれるはず。


 どこかでそれを期待していた。だからこそ、自己満かもしれないが俺自身のささやかな夢を叶えたい。

 俺の先は短い。
 おそらく梨歩よりも。

 思い残すくらいなら、盛大にやってコケたほうが潔い。

 姉貴にはドン引かれたが、俺は俺の意のままに計画を進めた。

 できる限りのことは全てやりたい。


 その思いだけで、俺は残された僅かな命を奮い立たせていた。
 平凡で味気なかったごく普通の人生が、今となっては手放すのも惜しいと思える。
 それくらい、俺はまだ生きたいのだと悟った。

 俺のために。

 何より梨歩のために。