君という夢を描いて

「……がん?」


来週には退院できると聞いていたのに。

どういうことだ?


俺が、癌?


「あの……早く治療すれば、治るんですよね?」


俺は、何ともない。


至って健康だ。


「……正直なところ、かなり深刻です」

「手遅れ、ってことですか?」

 嘘だろ。

 マジかよ。

 夢ならとっとと覚めてくれ。


 たちの悪い悪夢ならなおさら。


「まあ、はっきり申し上げれば……そういうことになります。複数箇所に転移も認められましたので、根治は極めて難しい状態です」

主治医の先生は言葉を選びながら言ってくれているのがよくわかる。
それでも、今の俺にはにわかに受け入れがたい。

「そんな……」

マジか。