君という夢を描いて

このまま時間が止まればいい。
ありきたりな表現しか思いつかないが、そう思えるくらいの幸せが凝縮された瞬間だった。
梨歩の体温を肌で感じながら、俺は心の底から梨歩を求めていると気づいた。

「涼、ちゃん……」
「……!」
「大、好き……」

狂おしいくらいに、愛おしい。
いまだかつて感じたことのない、“欲望”という名の本能。
求め合うーー互いの体温、熱帯びた吐息、そして。

「梨歩……」

 もっと。

 もっと。

「涼ちゃ……ん」

 君が、欲しい。

 欲しい。

 君を、独占したい。

 他の誰にも、渡したくない。

 理性が飛んでしまいそうになるのを必死で堪えながら、俺は梨歩を求め続けた。


「く……!」

 やばい。制御不能。


 このままだと、梨歩が本当に壊れてしまいそうだ。


 怖い。


 でも、もう止まらない。

「涼ちゃん……痛い」
「あ、悪、いーー」

 次の瞬間、俺の意識は途絶えた。



*


 翌朝、目覚めると隣には小さな寝息を立てて眠る梨歩がいた。

「あ……」

 とうとうやってしまったか。