ザラディンの協力もあって、勇者の息子たちを撃退し、一躍有名人となったモンドではあるが、それと同時に、元仲間であった勇者たちから、明確な敵として認識されることになる。

 まずは妨害の一環として、資金の遮断。衣食住を奪うなどの目に見えたいやがらせを受けることになる。
 しかし、それに屈しないモンドは、旧魔王城に拠点を移しつつ、資金源をみつけるため、旧魔王城に放置されていたザラディンの同族と手を組むことにした。

 そいつは旧魔王城の設備の一切を取り仕切っていた万能執事の成れの果て──スケルトン化した執事であったが、ザラディンの説得もあり、モンドに協力する。

 手始めに、旧魔王城の観光スポットに一つでもある、魔王カジノ(ダンジョンやフィールドで使用可能なコインを入手できる賭場施設)にモンドを案内し、執事権限をもってカジノの設定をいじると、モンドに大量のコインを授ける。

 さらには、コインや一部のレアアイテムの売却資金で魔王城を買い取ったモンドは、本格的に勇者たちへの反撃を開始。
 目には目を──。

 奪われた魔眼と、これまでの仕打ちに対し戦いを挑む。

 まずは、資金源を断つという卑劣な手段に対し、豊富な経済力を背景にギルドや土地などの権利を買いあさり、徹底的に勇者たちの資金を断つ作戦を実行する。
 表向きは、モンド達に対し優位に見える勇者側も、裏ではモンドが持つ豊富な資金とアイテムに目がくらんだ商人によって逆に追い詰められていくなど、あらゆる面でモンド達が圧倒していく。

 事態を重く見た勇者たちは、モンドの背後にかつて滅ぼしたはずの魔王の血縁者がいることに気付き、今度は表立っての攻撃を開始。瞑目は魔王に落ちたモンドの討伐であった。

 しかし、すでに今のモンドは昔のモンドにあらず。
 魔眼を失ってから鍛え上げた体に、数々のレアアイテム。そして、不屈の精神と積年の恨みがこもったその力は勇者たちを凌駕していた。

 ザラディンの援護を受けるまでもなく、勇者たちを圧倒し、過去の因縁に決着をつける。
 そうして、勝利したモンドは、奢ることなく、今度こそ冒険者としてザラディンとコンビを組み、様々な困難クエストをこなし伝説の男となるのであった。