そんな言葉が聞こえてきたけど返事をする余裕はもう私にはなかった。スマホを握りしめながら、まぶたをゆっくりと閉じる。



「遥陽さん、大好きです……へへっ」


『初優ちゃん!?急にどうしたの!?』



遥陽さんの声が聞こえたのはこれが最後。


私はそのまま見事に寝落ちしてしまった。その後、どうなったかはよく分からないけど電話は切られていて、朝起きたら充電がなかったのは覚えている。


だけど……



『おやすみなさい。俺も好きだよ』



そんなことを言っている遥陽さんが夢の中に出てきて、幸せな眠りだった。


だけど遥陽さんの声があまりにも鮮明に残っていて、本当に言っていたんじゃないかなと勘違いしそうになった。


それは、遥陽さんにしか分からない真実になった。