あれから、一ヶ月だった。
ちょうど美夜の命日に、月夜は月から迎えが来た。僕は生まれ変わりを信じたい。僕は、僕らは、竹取物語の主人公達の生まれ変わりだと。月夜は、美夜の生まれ変わりだと、信じている。
でもそれなら、もしもそうなら、僕達が竹取物語をなぞっているのなら。
「月からの迎えの来方が違うじゃないか…。時代が…違うだけなのに。結末が、変わってしまった。」
月夜は―。死んだ。
僕から何もかもを奪うこの世界。なんか、理不尽。だって正直、竹取物語だっただろう?
美人の一人娘が、月に帰る話だろう?
帰り方が、違うじゃないか。月夜は、美夜は、月に帰れたのだろうか。ちゃんと、帰れたのだろうか。生まれ変わりを信じていたのに。一部が、違う。なのに、それなのに。

何の変哲もないように。またこの世界で、日が沈み、月が昇る。