「あいつは機械。あいつは機械だ。私は分かっていたはずだ。今、口にも出した。なのに、どうして」

 ハルは、頭に手をやり、くしゃりと髪をつかむと、そのままドアを背に崩れ折れた。


「この気持ちが消せないんだ……。私の馬鹿……」


 扉の向こうで、涙と共に、そう自らに言い聞かせる彼女の事など、



 私は知る由もなかった。