私が、彼女と出会ったのは、彼女が十二歳の、梅の咲く日のことだった。

「ハル、久しぶり。……ほら、プレゼントだ」
「……」

 お礼も言わず、無表情なまま私を受け取ったのは、漆黒の黒い髪を肩まで無造作に伸ばした女の子。
 それが、私と彼女の物語の始まりだった。