僕の名前は塩ノ谷 叶人。お葬式を終え、とある場所に向かう、高校2年生だ。
「南、お前この場所好きだっただろ。」
ここは、高校の最寄り駅から鉄道で30分くらいの場所にある、山の中の広場だ。何もない、静かなこの場所は、生前の南とよく来ていた。ここにいると、日ごろのストレスを忘れられた。
だけど、そんな南はもういない。あと少しで守れた命を僕は守れなかった。
「これが南の言っていた、喪失感というものなんだろうな。」
そう、南は、自分の友人を同じ理由で亡くしていた。それを自分のせいだと言っていた。
「だから、死んでお詫びするとでもいうのかよ……」
必死に生きてきたやつが、最期はこんなことになるなんで、あまりに不憫じゃねぇか。
その瞬間、僕の頬は涙に濡れた。
「南……ありがとう。ごめんね……」
僕はいじめや差別を無くすために生きていく。それが、南を守れなかったことに対する贖罪だから。
「南、お前この場所好きだっただろ。」
ここは、高校の最寄り駅から鉄道で30分くらいの場所にある、山の中の広場だ。何もない、静かなこの場所は、生前の南とよく来ていた。ここにいると、日ごろのストレスを忘れられた。
だけど、そんな南はもういない。あと少しで守れた命を僕は守れなかった。
「これが南の言っていた、喪失感というものなんだろうな。」
そう、南は、自分の友人を同じ理由で亡くしていた。それを自分のせいだと言っていた。
「だから、死んでお詫びするとでもいうのかよ……」
必死に生きてきたやつが、最期はこんなことになるなんで、あまりに不憫じゃねぇか。
その瞬間、僕の頬は涙に濡れた。
「南……ありがとう。ごめんね……」
僕はいじめや差別を無くすために生きていく。それが、南を守れなかったことに対する贖罪だから。