俺の名前は結城 南。今から自分の人生に終止符を打とうとする、高校生だ。
 理由なんてない。ただ、自分という存在が邪魔なだけ。俺なんか、もうこの世にいらないんだよ。
 間違った体で産まれ、間違った価値観を持ち、間違った道を選ぶ。そんな人生だった。
 いじめられていた時に救ってくれた友達を、俺は守ることができなかった。だから、あいつは、碧は、死んでしまったんだ。
 叶人。俺みたいな出来損ないと一緒にいたって、いいことなんて、ひとつもないんだよ。お前を、俺のせいで、また、死なせてしまうかもしれない。それだけは嫌だ……
 死ぬのは俺だけでいい。心残りなんてない。
 「さようなら」