僕の名前は塩ノ谷 叶人。春休み中の高校生だ。
今日は、街の方に服を買いに来ている。久しぶりの外出だ。慣れないこともあって、とにかく太陽がまぶしい。さらに人が多い。駅から目的のお店に向かうだけで、僕はへとへとになった。
服選びを済ませ、駅に戻ろうとした時、ふと僕のスマホが鳴る。開くと、それは近くにある総合病院からの電話だった。
「もしもし、塩ノ谷です。」
「もしもし、塩ノ谷 叶人さんでよろしいでしょうか?」
どうして僕の名前を知っている?わけがわからないのだが。だが、電話番号を見るも、病院を語る偽物ではないようだ。
電話先の相手は、内科医の一橋 蔵之介(ひとつばし くらのすけ)と名乗った。そして、一橋先生から告げられた一言は、とても信じられないことだった。
「とても言いづらいのですが……、結城 南さんが、先ほど病院に運ばれ、危篤状態となってしまいました。」
え……どういうことだ。嘘だ……よな。
僕にできることは、最速で病院へと急ぐことだけだった。
「南!」
病院に着いた僕が、意識のない南のもとへ駆け寄る。そこには、南の親御さんたちと、一橋先生もいた。
変わり果てた南の姿……それは僕にとって、地獄そのものだった。
「最善は尽くしましたが……内臓のダメージは相当なもので……生きているのが不思議な程でした……戻って来ないかもしれません。その覚悟だけは、お願いします。」
戻って来ないかもしれない……そんな馬鹿な。あいつと、話せなくなるなんて……そんなの、嫌だ……。
「僕は、南が絶対に戻って来る。そう信じています。」
南はこの日、自分が住むマンションの3階から、自ら……飛び降りてしまったのだ。
今日は、街の方に服を買いに来ている。久しぶりの外出だ。慣れないこともあって、とにかく太陽がまぶしい。さらに人が多い。駅から目的のお店に向かうだけで、僕はへとへとになった。
服選びを済ませ、駅に戻ろうとした時、ふと僕のスマホが鳴る。開くと、それは近くにある総合病院からの電話だった。
「もしもし、塩ノ谷です。」
「もしもし、塩ノ谷 叶人さんでよろしいでしょうか?」
どうして僕の名前を知っている?わけがわからないのだが。だが、電話番号を見るも、病院を語る偽物ではないようだ。
電話先の相手は、内科医の一橋 蔵之介(ひとつばし くらのすけ)と名乗った。そして、一橋先生から告げられた一言は、とても信じられないことだった。
「とても言いづらいのですが……、結城 南さんが、先ほど病院に運ばれ、危篤状態となってしまいました。」
え……どういうことだ。嘘だ……よな。
僕にできることは、最速で病院へと急ぐことだけだった。
「南!」
病院に着いた僕が、意識のない南のもとへ駆け寄る。そこには、南の親御さんたちと、一橋先生もいた。
変わり果てた南の姿……それは僕にとって、地獄そのものだった。
「最善は尽くしましたが……内臓のダメージは相当なもので……生きているのが不思議な程でした……戻って来ないかもしれません。その覚悟だけは、お願いします。」
戻って来ないかもしれない……そんな馬鹿な。あいつと、話せなくなるなんて……そんなの、嫌だ……。
「僕は、南が絶対に戻って来る。そう信じています。」
南はこの日、自分が住むマンションの3階から、自ら……飛び降りてしまったのだ。