翌日、朝起きてすぐに腹ばいになって籠の中を覗いた。
「食べてくれたのね!」
私は思わず大声を上げた。
伏籠の中に入れておいた米粒がなくなっている。私は嬉しくて腹ばいになったままごろごろとその場で転がった。
ひとしきり転がったあと、雀を見つめる。
ちゅん、と小さく雀が鳴いた。ふるふると羽根を震わせるさまからは、まだ少しだけ怯えが見えた。
私は籠を上から抱え込んだ。
「私たち、友だちね」
この小さな屋敷に閉じ込められている私と、籠の中に閉じ込められている雀。
「おんなじね」
私は籠を愛おしい思いで撫でた。