16.世紀末の魚

「鎌倉の海で捕れる鰹という魚があるな。あれは最近流行っているがな、鎌倉の古老が言うには『自分らが若かった頃は高貴な人は食べなかったぞ。頭は下僕でも食べなくて捨てたもんだ』と。今は世も末だからな。鰹は高貴な人でも食べるようになっているのだ」
「世も末で良かったですね、兄上!」
「うむ。鰹は最高にウマイな! おかわり!」