『実体になれるのは、最初で最後』
そう、私の耳に、
ちゃんと届くように発したスイ。
「...............っ、最初で最後?」
『うん。そう、最初で最後』
〝事実は、変わらないんだよ〟
そんな感じで、告げるように言うスイ。
でも........................
「...............そんなの、嫌だ!」
子供のように、駄々をこねる言葉を出した。
すると、スイは...........................
『俺さ、泣き虫なあおいが、
泣けないの心配で、様子見に来た。
俺とこうして話すのは、最初で最後だけど、
俺は、ずっとここで見守ってるから。
お風呂でだけは、泣いていいよ』
そう優しく言葉を出して。