『☆おめでとうございます!あなたは『未来予報』の資格を得ました!今から1ヶ月、毎週未来予報が送られてきます☆』
どう考えても胡散臭いDMが送られてきたのはハロウィンの日のことだった。
バイトを終えてスマホをチェックするとツブヤキッターにDMが届いていた。
『あなたの未来予報士』というふざけたユーザー名で、明らかに怪しいアカウントだったが、馴染みのある数字を使ったIDだったから中身を読む前に消すのはやめてやった。
しかし開いてみたメッセージはあまりにもインチキくさい。
1000人ほどはフォロワーがいるので、騙されている人間も何人かいるのだろうか。まあよくあるスパムDMだろうと気に留めずにスマホをポケットにしまった。
『☆初めての予報です☆
11月3日(祝)あなたの楽しみにしていたライブはアーティストの体調不良のため中止になるでしょう』
2通目は帰宅した頃に届いた。
「うわ、勝手に始めてるし。しかも最悪な予報だな」
……勘弁してくれよ。3日に行くライブは高倍率の中でチケットをもぎ取ったんだぞ。気分が悪くなった俺はすぐにメッセージを閉じた。
俺は理由がつかないものが嫌いだ。世の中のものには全て理由がある。
オカルトじみた未来予報など信じられるわけがない。そう思っていたのだが。
11月3日ライブ当日。
未来予報士の予報通り、バンドのメンバー全員がコロナに感染したとかで急遽ライブは中止になってしまったのだ……!
「残念すぎるー!」と俺の部屋で叫ぶのは、俺の姉である蘭
俺と連番する予定だった蘭は、ライブTシャツを着て俺の部屋でご機嫌にファッションショーをしていたというのに。そのさなかに中止が発表されたのだ。