てか、最初のレンタルビデオ屋でのあの一件も、昔の記憶の中にあるぞ。俺と祐樹と泰造のことを中学生だって気付いた店員が、わざと小っ恥ずかしいタイトルを大声で言ってきて、まんまと撃退されたことがあったじゃないか。
あの時は今みたいにネットが普及しておらず、俺たちの欲が満たされるのは唯一あの場所で借りたアダルトビデオだけだったから、発狂するほどムカついた。
電柱に八つ当たる泰造を思い出し、くすっとまた笑う俺。
当時の店員が小太りだったかどうかはおいていて、今日の出来事と酷似している。と言うことはまさか、この落書きは……
ふと足元に落とす視線。実家の玄関からずっと続いているこの白線。俺を思い出の場所へと導き、あの頃と同じような体験をさせて。
「間違いない、祐樹と泰造の仕業だ」
そう確信し、俺は勢いよく腰を上げる。ずっとふたりからの連絡を無視していた俺。それは昨日も然りだったから、あいつらは俺にこんないたずらを仕掛けたんだ。
耳元で聞こえるのは、未来を待ち侘びる奈美の声。
“20年後の今日だよ、忘れないでね。必ず4人揃って、この箱を開けるの”
あの時は今みたいにネットが普及しておらず、俺たちの欲が満たされるのは唯一あの場所で借りたアダルトビデオだけだったから、発狂するほどムカついた。
電柱に八つ当たる泰造を思い出し、くすっとまた笑う俺。
当時の店員が小太りだったかどうかはおいていて、今日の出来事と酷似している。と言うことはまさか、この落書きは……
ふと足元に落とす視線。実家の玄関からずっと続いているこの白線。俺を思い出の場所へと導き、あの頃と同じような体験をさせて。
「間違いない、祐樹と泰造の仕業だ」
そう確信し、俺は勢いよく腰を上げる。ずっとふたりからの連絡を無視していた俺。それは昨日も然りだったから、あいつらは俺にこんないたずらを仕掛けたんだ。
耳元で聞こえるのは、未来を待ち侘びる奈美の声。
“20年後の今日だよ、忘れないでね。必ず4人揃って、この箱を開けるの”



