先日、魔王を倒して故郷の国に帰ってきた。
今では僕は世界の英雄である。
国に帰ったら家でも国王のところでもなくある人の所へ向かった。
僕は旅に出る前にある女性に思いを告げた。
返事は旅から帰ったら聞くからと。
そう言って、僕は旅だった。
この返事を聞くために絶対に死んでなるものかと何度も死線をかいくぐってきた。
「あの……」
僕は言葉を詰まらせた。
彼女は左手に指輪をつけてある男と歩いていた。
僕は声を少し荒らげて聞いた。
「なんで僕じゃないんですか。僕は今は世界の英雄ですよ!」
彼女は言った。
「実は彼も国王から勇者にスカウトされていたの。でも彼は私の隣に居たいからと断ったの」
「彼が世界より私を選んでくれたのが嬉しかったの」