昔から私が望むものはすべて手に入った。

親が財閥の会長なのだ。

金で手に入るものはすべて手に入った。

顔も良かったから男にも友達にも困らなかったし、成績も小学校から高校まで1位以外は取ったことないし、運動もスポーツだってこなすことが出来た。

何も不自由なことなんてなかった。

それが私の誇りだった。

そんなある日、私に興味を持たない男がいた。

冴えないやつってのが初対面の印象だった。

そいつは私に靡くどころか興味すら持たなかった。

それが面白くて私はどうにかあいつを私に振り向かせようした。

何度も話しかけているうちに、お弁当を一緒に食べる中になって。

そうしているうちに、放課後2人で遊びに行く仲になった。

そして、私はあいつが病気であることを知った。

放課後、2人でいつものゲームセンターに行った帰り道、彼が急に苦しみ出して倒れた。

「ごめん、もういつ死んでもおかしくないんだ」

後日、病室であいつから言われた。

世界的にも例の少ない病気で治療の目処も経っていないものらしい。

自分が病気なのが分かってたから。

自分に将来がないことが分かっていたから。

あいつは私に興味を示さなかったのだ。

私だけでは無い。全てのことに対して関心が無くなっていた。

「君に会ってからまるで僕の人生が塗り替えられていくようだったよ」

ありがとう。でも、これで最後。

彼はそう言って、それ以降私の病室の立ち入りを禁止した。

病院に言って私の立ち入りを拒否したのだ。

でも、彼はやっぱり私のことをちっともわかっていない。

私は欲しいものはすべて手に入れる主義だから。


数年後の私たちが20歳になろうとしている時。

彼は看護師にお辞儀をして病院を後にした。

「……迎えに来てくれたの?」

「えぇ、もちろん」

「僕は君を拒絶したのにかい……?」

「私は欲しいものはなんでも手に入れる主義なの。知っているでしょう」

「うん。知ってるよ。でも、良かったの?ただの一般人の治療費にあんな額を出して?」

「もちろんダメに決まってるわよ。おかげで家から追い出されちゃった」

「なんでそこまでして……」

「言ったでしょう。欲しいものはなんでも手に入れる」

今の私にはあなたがいるだけでいいの。