「また振られたよ〜……」
幼なじみのそいつはまた私にそう言った。
「今年に入ってからそれ何回目よ」
「今回でピッタリ20回目」
彼はクビっと酒を煽った。やけ酒だ。
「なんで毎回振られるんだよ……」
「アンタはすぐに人を好きになりすぎなのよ」
「今回は一目見た瞬間に確信したんだ!この人は僕の運命の人だってね」
「アンタには運命の人がいったい何人いるのよ……」
彼はもう一度ハッーと深いため息をついた。
「僕を愛してくれる人は居ないのかな……」
ふと、そんな記憶が蘇った。
私はいつでも準備できてたのにな……
私だけは君をちゃんと愛していたのに……
「ほんとアンタも私もバカみたい」
そう言って君の墓石をそっと撫でた。