柳生は家に向かう途中で、駅近くにあるいつもの漫画喫茶に立ち寄った。店内には、避暑で立ち寄っているらしい他の客もまばらに腰かけていて、それぞれが漫画を読んだり雑誌をめくったり、食事をとりながら、時折腕時計へ目を走らせていた。
柳生は窓際のオープン席に腰かけて、珈琲を注文した。官製ハガキとペンを手に取ったが、さてどうしようかと悩んだ。
友人からのアドバイスを頭の中で何度か繰り返しているうちに、アイス珈琲が届けられて、彼は店員である若い女性に礼を述べて、まずはそれに口をつけた。
身体の熱がおさまり始めると、幾分か肩から力が抜けて、冷静に考えることができた。苅谷から受けた『手紙の返事として書く文章のアドバイス』を今一度思い返して、気張らずに凝り固まらずに、とりあえずは返事を書いてみることにした。
――先日、私は妻と娘の死を知りました。あなたが誰なのか、私には見当もつきませんが、死者を騙る悪戯であれば、やめていただきたいのです……
柳生は窓際のオープン席に腰かけて、珈琲を注文した。官製ハガキとペンを手に取ったが、さてどうしようかと悩んだ。
友人からのアドバイスを頭の中で何度か繰り返しているうちに、アイス珈琲が届けられて、彼は店員である若い女性に礼を述べて、まずはそれに口をつけた。
身体の熱がおさまり始めると、幾分か肩から力が抜けて、冷静に考えることができた。苅谷から受けた『手紙の返事として書く文章のアドバイス』を今一度思い返して、気張らずに凝り固まらずに、とりあえずは返事を書いてみることにした。
――先日、私は妻と娘の死を知りました。あなたが誰なのか、私には見当もつきませんが、死者を騙る悪戯であれば、やめていただきたいのです……


