どのくらいそうしていただろうか。
柳生は不意に、今朝に新聞を取る際またしても郵便受けに入っていた、今度は官製ハガキだった『便り』のことを思い出した。時々思い出したように送られて来るそれについて考えてしまい、彼の眉間の皺が深まった。
この三日間で、二つの土地から二通の手紙が届いていた。その送り主は、彼の元妻と娘である。柳生は十年前に離婚したのだが、しばらく経った頃、彼女達から不定期に手紙が届くようになった。
保身の為か嫌がらせか、元妻からの手紙には住所の記載がなかった。初めて届いたのは官製ハガキで、新しい生活を手に入れた彼女の名字は早々に変わっていて、再婚したこと、彼がきちんと払っていた娘の養育費の断りも書かれていた。
その一通で終わると思っていたのだが、彼がその手紙を棚の奥にしまって返事も書かずに過ごしていると、短い文章の手紙が『暑中見舞い』や『残暑見舞い』のように、一ヶ月から数ヵ月の間隔で送られてきて、それは現在まで続いている。
柳生は不意に、今朝に新聞を取る際またしても郵便受けに入っていた、今度は官製ハガキだった『便り』のことを思い出した。時々思い出したように送られて来るそれについて考えてしまい、彼の眉間の皺が深まった。
この三日間で、二つの土地から二通の手紙が届いていた。その送り主は、彼の元妻と娘である。柳生は十年前に離婚したのだが、しばらく経った頃、彼女達から不定期に手紙が届くようになった。
保身の為か嫌がらせか、元妻からの手紙には住所の記載がなかった。初めて届いたのは官製ハガキで、新しい生活を手に入れた彼女の名字は早々に変わっていて、再婚したこと、彼がきちんと払っていた娘の養育費の断りも書かれていた。
その一通で終わると思っていたのだが、彼がその手紙を棚の奥にしまって返事も書かずに過ごしていると、短い文章の手紙が『暑中見舞い』や『残暑見舞い』のように、一ヶ月から数ヵ月の間隔で送られてきて、それは現在まで続いている。


