彼女を失いたくないと切望した。けれど、人間は必ず老いて死んでいくのだと分かってもいたから、いずれ別れは来るのだろうと想像して寂しさを覚えた。酒と煙草と不規則な生活をしていたから、きっと俺の方が先に死んでしまうだろう、とそれを知らず考えていた時、心は既に彼女と結婚する未来を選んでいた。
あの頃は若く、何もかもが青すぎた。考えが熟した二人は、十年前、あの頃とは違う道を冷静に導き出した。二人の人生が、この先で再び交わることは想像し難く、もう共に暮らしてはいけないほど、お互いの心は離れてしまっていた。
だからこそ、彼女がなんの気まぐれで手紙を寄越してくるのか、全く予想がつかないでいるのだ。
それと同時に、手紙が届いていないかと郵便受けを覗き、届いたその便りを手元に置いている自分の行動も不可解だ。いまだに、返事を書く気にもなれないでいるというのに――。
今更考え込むなんて、性に合わない。
柳生は、どこに片付けてよいのか分からない写真を、一つにまとめて棚の上に置いておくことにした。
あの頃は若く、何もかもが青すぎた。考えが熟した二人は、十年前、あの頃とは違う道を冷静に導き出した。二人の人生が、この先で再び交わることは想像し難く、もう共に暮らしてはいけないほど、お互いの心は離れてしまっていた。
だからこそ、彼女がなんの気まぐれで手紙を寄越してくるのか、全く予想がつかないでいるのだ。
それと同時に、手紙が届いていないかと郵便受けを覗き、届いたその便りを手元に置いている自分の行動も不可解だ。いまだに、返事を書く気にもなれないでいるというのに――。
今更考え込むなんて、性に合わない。
柳生は、どこに片付けてよいのか分からない写真を、一つにまとめて棚の上に置いておくことにした。


