そういえば、どことなく娘は若き日の妻に似ていた。彼女が大人しくしている間だけの話であって、性格はまるで違うけれど。
あの子は、いつも落ち着きなく走り回っていたし、本や勉学からは遠い子だった。景色を楽しむよりも、次々に遊びを開発して楽しむ性格は男児のようで、いつも怪我が付いて回り、何度妻を心配させて、何度彼を妻に叱らせたか分からない。
妻は物静かな生活を好む女だったが、口達者であったせいか、娘の成長に従ってまるで厳しい教育者のように夫を怒るようになった。それは、気付かぬ間に少しずつ、二人の間に流れる空気の性質を変え、現在の二人の関係になった気もした。
それを思いながら、柳生は一枚の褪せた写真を手に取った。片手で髪を、残りの片方の手でスカートを抑え、海の向こうを眺める若き妻の姿が写っていた。
アングルは少し斜めで、手振れが認められた。写真を譲渡してくれる友人達は、裏面に必ず場所と日時を記載していたものだが、確認してみても特にメモらしい走り書きもなかった。
あの子は、いつも落ち着きなく走り回っていたし、本や勉学からは遠い子だった。景色を楽しむよりも、次々に遊びを開発して楽しむ性格は男児のようで、いつも怪我が付いて回り、何度妻を心配させて、何度彼を妻に叱らせたか分からない。
妻は物静かな生活を好む女だったが、口達者であったせいか、娘の成長に従ってまるで厳しい教育者のように夫を怒るようになった。それは、気付かぬ間に少しずつ、二人の間に流れる空気の性質を変え、現在の二人の関係になった気もした。
それを思いながら、柳生は一枚の褪せた写真を手に取った。片手で髪を、残りの片方の手でスカートを抑え、海の向こうを眺める若き妻の姿が写っていた。
アングルは少し斜めで、手振れが認められた。写真を譲渡してくれる友人達は、裏面に必ず場所と日時を記載していたものだが、確認してみても特にメモらしい走り書きもなかった。


