柳生の娘も、勉強に関しては軒並みで、校則も注意されない程度で守っていた。心は勉学から遠いところに置いてあり、たくさんの友人達や頼れる先生と会うために通っていたようなものだ。
物想いに耽りながらも箸は進み、スープまで美味しく頂けた。ラーメンと餃子に大満足して腹もすっかり満ちたところで、すぐには動けない満腹感に浸りながら、柳生はなんとなく水崎という若者の方を盗み見た。
水崎は、先程まで大学に通う現代の若者達について語っていた店主に向かって、好きな本を紹介し合う大学主催のイベントについて、活き活きと話し始めていた。今回は大学の内外部の両方から、かなりの人数が参加を決めているのだと、身振り手振り喜ばしそうに教える。
「……熱く語るのはいいが、お前、勉強は本当に大丈夫なのか?」
店主が心配そうに言い、「本を読む時間の少しくらい、勉強に使った方がいいんじゃないか?」と言葉を続けた。
すると水崎青年は、またしても目元を和らげてにっこりと笑った。心から幸福そうに笑う男だと、柳生は不思議に思った。幼くも見える彼の瞳は、微笑むと更に柔らかさを帯びて、歳を追うごとに男達が抱える独特の剣を微塵たりとも感じさせないでいた。
物想いに耽りながらも箸は進み、スープまで美味しく頂けた。ラーメンと餃子に大満足して腹もすっかり満ちたところで、すぐには動けない満腹感に浸りながら、柳生はなんとなく水崎という若者の方を盗み見た。
水崎は、先程まで大学に通う現代の若者達について語っていた店主に向かって、好きな本を紹介し合う大学主催のイベントについて、活き活きと話し始めていた。今回は大学の内外部の両方から、かなりの人数が参加を決めているのだと、身振り手振り喜ばしそうに教える。
「……熱く語るのはいいが、お前、勉強は本当に大丈夫なのか?」
店主が心配そうに言い、「本を読む時間の少しくらい、勉強に使った方がいいんじゃないか?」と言葉を続けた。
すると水崎青年は、またしても目元を和らげてにっこりと笑った。心から幸福そうに笑う男だと、柳生は不思議に思った。幼くも見える彼の瞳は、微笑むと更に柔らかさを帯びて、歳を追うごとに男達が抱える独特の剣を微塵たりとも感じさせないでいた。


