「大学の方は順調そうか?」
「店長、話聞いてました? それ、さっきも尋ねてたじゃないっすか」
横から口を挟んだアルバイト君の指摘は正しかったが、残念なことに二人の間ではなかったことにされていた。店主と水崎は、何事もなかったかのように続ける。
「なんとかギリギリ単位は取得出来ているし、問題はないと思う」
「ほとほと呆れた奴だなあ。お前の問題は学位じゃなくて、出席日数だろうに」
「なんで出席日数が足りなくなったのか、僕にも本当に不思議でたまらないんですよね」
「先輩、それってきっと、時間の経過をすっかり忘れるところと、のんびりすぎる大きな器のせいですって」
先輩は偉大だよなあ、とアルバイト君は心配事を思い出すような顔で言った。店主が深々と息をついて、ゆっくりと頭を横に振る。
「俺たちの時代は、そうじゃなかったんだがなぁ。趣味や遊びは勉強の二の次だったってのに、今の若いもんときたら――」
店主は、勉強よりも趣味に時間を割く若者が多いことを口にした。柳生の若い頃もそうであったので、時代が変わったことを改めて思い、ラーメンをすすりながら「確かになぁ」と心の中で呟いてしまった。
「店長、話聞いてました? それ、さっきも尋ねてたじゃないっすか」
横から口を挟んだアルバイト君の指摘は正しかったが、残念なことに二人の間ではなかったことにされていた。店主と水崎は、何事もなかったかのように続ける。
「なんとかギリギリ単位は取得出来ているし、問題はないと思う」
「ほとほと呆れた奴だなあ。お前の問題は学位じゃなくて、出席日数だろうに」
「なんで出席日数が足りなくなったのか、僕にも本当に不思議でたまらないんですよね」
「先輩、それってきっと、時間の経過をすっかり忘れるところと、のんびりすぎる大きな器のせいですって」
先輩は偉大だよなあ、とアルバイト君は心配事を思い出すような顔で言った。店主が深々と息をついて、ゆっくりと頭を横に振る。
「俺たちの時代は、そうじゃなかったんだがなぁ。趣味や遊びは勉強の二の次だったってのに、今の若いもんときたら――」
店主は、勉強よりも趣味に時間を割く若者が多いことを口にした。柳生の若い頃もそうであったので、時代が変わったことを改めて思い、ラーメンをすすりながら「確かになぁ」と心の中で呟いてしまった。


