麺に絡むスープはまろやかで、醤油の香りが一気に口から鼻まで抜けるのだ。舌に溶けてゆくような出汁(だし)も格別だった。まだ湯気の絶えない餃子は、外がカリカリに仕上がっており、口に入れると肉汁が唇を濡らすほどジューシーでもある。
柳生が食事を進めている間も、店主とアルバイト君は、簡単な仕込みと片付けを行いながら水崎という青年と親しげに話していた。聞こえてくる話の内容から、水崎とアルバイト君が同じ大学の先輩後輩であるらしいと分かった。二人の青年は、数か月前まではこのラーメン屋で一緒に働いていたようだ。
それにしても、と柳生はカウンターに腰かける水崎という青年を盗み見た。
楽しげに語る横顔は穏やかで、困ったように笑う仕草も柔らかくて、まるで家族や友人から愛されて育った青年のようにも感じて、どうしてか気になった。
「ふむふむ、それで?」
食材の仕込みに一区切りついたらしい店主が、手を止めて水崎を見やった。
柳生が食事を進めている間も、店主とアルバイト君は、簡単な仕込みと片付けを行いながら水崎という青年と親しげに話していた。聞こえてくる話の内容から、水崎とアルバイト君が同じ大学の先輩後輩であるらしいと分かった。二人の青年は、数か月前まではこのラーメン屋で一緒に働いていたようだ。
それにしても、と柳生はカウンターに腰かける水崎という青年を盗み見た。
楽しげに語る横顔は穏やかで、困ったように笑う仕草も柔らかくて、まるで家族や友人から愛されて育った青年のようにも感じて、どうしてか気になった。
「ふむふむ、それで?」
食材の仕込みに一区切りついたらしい店主が、手を止めて水崎を見やった。


