一杯目の珈琲を早々に飲み終わった柳生は、サンドイッチと珈琲を追加で注文した。中年男岡村の口に次々と甘ったるいケーキが消えていくのを眺めていると、抗いようもなく自分の食欲を見失った。そのたびにサンドイッチを皿に戻し、煙草と珈琲を口にしては、己の平常な気分を取り戻すことに苦戦を強いられた。
陽がほとんど暮れかけた午後の七時頃、テーマと取材の日程がおおよそまとまって、ようやく話が一段落した。テーマと経費についての許可は降りていたものの、大雑把な岡村が全く考えていなかったせいで、こんなにも時間がかかったのだ。
そろそろ切り上げようかと席を立った時、すかさず店内から可愛らしい女性店員がやってきて、「片付けは私がやりますので、大丈夫ですよ」とにこやかに告げた。どの席もすっかり客で埋まり、レジの前には人の列が出来ていた。
「じゃあ、僕は一度会社に戻りますね。先生、帰りは大丈夫ですか?」
「家が近いからな、問題ない。動きたくなければタクシーでも使うさ」
陽がほとんど暮れかけた午後の七時頃、テーマと取材の日程がおおよそまとまって、ようやく話が一段落した。テーマと経費についての許可は降りていたものの、大雑把な岡村が全く考えていなかったせいで、こんなにも時間がかかったのだ。
そろそろ切り上げようかと席を立った時、すかさず店内から可愛らしい女性店員がやってきて、「片付けは私がやりますので、大丈夫ですよ」とにこやかに告げた。どの席もすっかり客で埋まり、レジの前には人の列が出来ていた。
「じゃあ、僕は一度会社に戻りますね。先生、帰りは大丈夫ですか?」
「家が近いからな、問題ない。動きたくなければタクシーでも使うさ」


